私も一緒に旅したかったな…近場でもいいからさ…
ねぇ、今はどうしてるのかな…。

懐かしい顔、懐かしい思い出が頭の中を過った。何年と経った今、おぼろ気になっているところもあるが、大切な思い出は今もこの中にある。俺は今も覚えているよ、お前のことを。お前は、どうしているんだろうな。お前の記憶の中に俺がいなかったとしても、大切なことを忘れずにお前自身の中に持ち続けて…歩いているのなら。

リノア…元気だろうか…
あの日あの時の思い出が昨日のことのように思い出せる…
あんたの笑顔忘れないからな…

季節はずれの花の香りをふと思い出した。あれはきっとあんたなんだろうな。身勝手ですまなかった。数年越しの言葉は少し、いや、とても嬉しかったよ。ありがとう、どうか優し過ぎるあんたが幸せでありますように。

年の瀬――、というと些か年寄りくさいかな。
この時期は何かと振り返りがちだが、どうやら君の声が拍車を掛けたらしい。
…大丈夫だ、君を忘れてなどいない。
もう止まり木にはなれないが、あの一時は私にとって大切な一区切りだった。
ありがとう。

寂…しい……と、躊躇いもせず言えたら、どんなに楽か…