殘香～yours～
過去ログ513
2012/7/13 22:13
☆彩 愛 美ブルーベリーの雨の中
雨が落ちて来て 最後の時間を
加速して短くして行く
最終便の船に乗れば 二人を繋いでいた
糸が切れて キラキラと光る
見ようともしなかった 空の輝きも
この雨で最後まで 知らないままに
ブルーベリーの雨が 流して行く
二人の時間が酸っぱく溶けて行く
もう戻る事の無い 船出の旅に
見えない流れ星が一つ
七色の星が 空に瞬いて
嘘のように ロマンティックね
こんなに絶好の夜を生かし切れず離れる星
雨に追われ すごすごと帰る
霧に撒かれて行く 夜の滑走路
キスシーンも上手く決まらない気まずさ
ブルーベリーの雨に 消されて行く
二人のボイスも顔をしかめる街の
ただのノイズに変わる 無言の耳
こんなに静かに雨が降る
パンの耳に付けただけの不似合いのジャム
この味嫌いと 断る事が出来なかった
ブルーベリーの雨を 眺めていた
あの日のブルームーンが滲む空
始めから知っていたような別れに
何を期待なんかしてたの?
2012/7/13(Fri)22:13
HP
☆彩 愛 美古 景 消え去って行く
当たり前なんだと
想えていた風景が
まるで知らない
機械的な景色になる
時間の流れと共に
想い出の景観は
削り取られてしまい
感動する事も無い
何処に行ってみても
似通った景色に
希薄になる旅情
ただ疲労感だけしか
残せなくなる旅行
それでも まだ
こんな風にして
残されている
古景があって
自分の中でも
忘れてしまっていた
想い出が
組み上げられて行く
帰りたい場所は
今でも たくさん
想い出の中にあって
でも そんな景色は
何処にも探せなくなって
帰れる場所が
また一つ
消えてしまったと
知らされるだけだった
2012/7/11(Wed)22:26
HP
☆葉っぱもなか呼吸どこもかしこも私利私欲の魑魅魍魎でごった返している
貫禄が金で買われる
餓鬼畜生が巷でちやほやされる
世の中は嘘のネットワークに踊らされる
ラジオ体操の音色が虚しい
こんななかでどう過ごしましょう
息を吸って吐いては間違いですよ
息は吐いて吸うもの
小さなつぼみの呼吸を見てごらん
空気の粒に叩かれたいきおいで息を吐きその後にハッとして息を吸うよ
心がひとつ復活した
か弱い正義でも打たれようと打たれようとパッと目を見開く
2012/7/10(Tue)21:44
HP
☆彩 愛 美夏を開いて
瑠璃色のビー玉を弾いてカチンと当てる
透過して行く光が青い空になって
本格的な夏を連れて来る
乱反射する光が万華鏡のように
雲の形を次々と変えて行く
何時まで見ていても飽きる事の無い
無限変化の空を見上げていると
心の中にあるもやもやした雲だって
何時か千切れて 青空になった
古いラムネの瓶透かして溶かしたような海
何処までも澄み拡がる波のラインが
足下で引いたり寄せたりする
大自然のパノラマ創る音楽堂に
波のリズムが強く優しく響く
何時か何処かで聴いて居たような
懐帰気分の波を感じていると
波の奥にある沈んだ宝物が
打ち上げられて 子供に還る
額に滲む汗が糸になっても
何処かで心地良さを感じて居た…
夏の頁を開くように着替えた
風景写心の全て見せて上げたいと
私だけじゃなく誰もが求めた夏は
色鮮やかな 連続写心
2012/7/9(Mon)22:58
HP
☆彩 愛 美小 夕 立 紙コップの
底が抜けて
僅かばかりの
雨が降る
埃っぽく
湿った街は
不快指数だけを
引き上げるだけで
夏の太陽熱を
下げる程には
降らない雨
晴雨兼用の傘も
使う間も無い程
ほんの数分
洗うまでも無く
泥を作っただけの雨
街の中を
汚しただけの雨
もう少しと
願っても
夕方の忙しさの中で
降られても迷惑と
嫌われるだけの雨
和らぐ事の無い
夏の暑さを際立たせて
紙コップに注いだ
僅かばかりの
雨が降る
2012/7/8(Sun)22:32
HP