哀切

過去ログ104 2014/2/19 8:05

◆長曾我部元親
愛して欲しいと、願った奴に限って掻き消えちまう。そんなにがっついてンのかね、俺ァよぅ。
…あんたの事が好きだよ、紛れも無く。屹度心にゃ届きゃしねェんだろうが、其れでも言いたくなる。
好いた相手に好きだと伝えンのは、そんなに悪ィ事か。

◆柴田勝家
…やはり、私に色事など向いていない。

◆大谷吉継
右から一押し。
左から一押し。
前後が狭まり、やれ…仕上げに天が落ちて来た。
ぬしが開いた箱へ、逆戻り。

可笑しな事もあるものよ。
最早出る事も叶うまい。

幸は元より、不幸も遠い。
われは潰えた。
オヤスミよ。

◆真田幸村
貴殿の事が愛しくて堪らぬのだ。ただそれだけを繰り返し、幾ら待てど来ぬ文を待つことすら慣れてしまった。久方ぶりの姿に笑いしか溢れぬのだ。誰も貴殿の代わりになどなれはせぬ。と、知っていながら他の者すら傷付ける。貴殿はそれを存じておるのだろう。しかし某は待つことしか出来ませぬ。いっそ笑うて下され政宗殿。