哀切

過去ログ111 2016/2/27 21:18

◆井伊直虎
また私は最愛を逃さなくてはいけないのだな。
愛しくて愛しくて…そう思うなら、どんなお前でも良いから私は口にして欲しかったんだ。…私は、どんなお前でも愛してた。
愛せる自信はあった。結果は最悪だったけれど。

だが、この結果を選んだのならもう、私の元には帰らないのだろう?
分かっている、こうなったのも私の自業自得だ。
さようなら、愛しい〇〇。どうか、どうか、…元気で居てくれ。

◆石田三成
ひとひら落ちる花弁を拾い上げ、てのひらに並べ数えては、過ぎ去る時の流れに馳せる。絶たれるは容易、…繋ぎ難く。思わば心に陰を落とし。日毎日毎、ひとときは、ひとときも待たず地を染めて。掬い上げても追いつかず、うつくしき花の色に地を染めて。やがて影すら埋めるだろうか。

◆島左近
改めて軌跡を見返したらさ、アンタ、言ってましたね。その行為は未練と後悔が尾を引いて忘れられなくなる、と。なのに、俺に其れをさしたのは、アンタだけ未練を断ち切りたかったからだ、俺の存在なんて残しておきたくなかったからなんだ、ッて思ってます。
その原因を作ったのは俺、ッてのは頭では理解してる。けど、憎んでるよ、アンタのこと。嘘をついたアンタのこと。枷になったアンタのことを。
欲しかったものを与え続けてくれたのに、跳ね除け続けてごめんなさい。自分の悪い所も見えてんよ。けど、其れでもアンタが憎い。

行き場のない愛情をどうしたら良いのか分からねえ。けど、もうケジメを付けなきゃ。そうっしょ?
愛してましたよ、飼い主さん。

◆柴田勝家
幾度となく認めた羅列を見る度私を嘲笑うかのように頭の奥が冷える。…何か理由を付けてお前と会話出来たとしても、もう隣には想い人が寄り添って居るかも知れない。私が、迷惑かもしれない。いや…迷惑に違いない。矢張り…私は独法師の勝家なのだ。