哀切

過去ログ71 2012/5/30 2:24

◆猿飛佐助
アンタが寂しそうにしてたから、手を差し出した
差し出した手を引かれ連れて行かれたのは、俺様には眩しくて暖か過ぎる日の当たる場所
不思議と抵抗はなかったよ
アンタがどんな御人で、取り巻く環境がどんなものか観察するのも悪くないかな…なんて
時が過ぎるのは早いモンで、気が付けば長い年月をそうしてアンタと過ごした
寒さに弱いアンタを抱き締め温めたこともあったし、病んだ俺様を優しく慰めてもくれた
俺の胸の内に、今まで感じたことのないものを沢山与えてくれた
知らず知らずの内にアンタのことが大好きだと思ってた
これが恋ってやつなのか、はたまた愛ってやつなのかは俺様には理解できないけど、確かにアンタは欠けがえのない存在になった

今、アンタは幸せかい?
まーた無茶して風邪引いたり、ドジやって怪我してないかい?
まったく、心配させなさんなよ
俺様はいつだってアンタのこと心配してんだから
音信不通なんてどうってことねェさ…アンタが無事ならそれでいい
楽しそうにやってるアンタを見て安心したよ
これで俺様も思い残すことなく日陰に帰れるさ
日向も居心地はいいけど、俺様には日陰がお似合いってな

◆長曾我部元親
こう言う時あんたが傍に居て呉れたら…どんなに救われるんだろうな。
だがあんたは居ねえ。あんたは一人で闘ってる、だから……俺も闘わなきゃならないんだ。

◆伊達政宗
…未だに忘れられねぇ、何でだろうな。最期…聞き分けの良い振りをしちまった所為かも知れねぇ、アンタを離す事が最善だと言い聞かせた。
アンタから文が届くと嬉しくてさっさと返事を認めて…それが負担だっただろうかと思うのは決まって文が止まってから。
寂しさに負けて浮気紛いの事をした俺を責めもせずに自分が悪いって、そう言ってくれた…本当に済まねぇ。
…アンタから貰った文はまだ持ってる、宿も教えて貰ったアレも消せずに…大事に持ってる。届けようと思えば届けられる、筈…でもまたアンタに負担を掛けちまったら…うじうじしてんのは俺らしくねぇとは解ってんのに、離れた今アンタの事を思う度に涙が出そうになる。
…普段はアンタが最期に言った事、ちゃんと守ってんだぜ。それが_の務めだろ?
別れ際の事を思えば…きっと見る事ァねぇだろうから、本音を吐かせて貰う…未だ愛してるぜ、darling.離れたくなかった、愛してたなんざ言いたくなかった。本当は未だアンタが何処かに居るんじゃねぇかと…期待しちまってる。…逢える事なら逢いたい、と思っちまう。…ごめん、ごめんな。今だけ、約束破って泣かせてくれ。愛してる、愛してるよ幸村。

◆真田幸村
貴殿と離れ随分経ち、某は未だ貴殿が忘れられぬ。政宗殿…未練がましく綴った某の文は読んで頂けてるだろうか。遠い噂では恋仲が出来たと聞き申しました。政宗殿は一途で優しいお方故当たり前の事、ですがその隣は某が立ちたかったでござる。政宗殿を困らせたのは某でしたが…やはり政宗殿以上の御仁は居りませぬ。しかも、何故…あやつなのですか…あの姿が嫌いになってしまいそうだ。政宗殿、もう一度某に情けを頂きたい。