哀切

過去ログ94 2013/7/14 20:47

◆徳川家康
軽い気持ちで関係を始めたけれど、時を重ね新たな一面見るたびにお前に魅了されるよ。
だけど浮気は許せないんだ。気付かないと思うならそれは間違いだ。お前は判別できるだけの情報をわしに与えているんだよ。
…だけど、困ったことにそんなお前も好きなんだ。盲目なわしにはお前の性格で嫌なところが見当たらない、返事がどんなに来なくとも不安と焦燥に苛まれながらお前を待つんだ。

これではきっと別れのときはわしが飽きられるか嫌われるかのどちらかだろうな。

◆前田慶次
一番近くにいて、あいつの事一番知ってるって思ってる。
でも、俺は親友だから恋人にはなれないんだって。
あの子の恋心は消えたってのに、それでも俺じゃ、駄目だって。
すごく、悔しいなぁ…。
もう良いんだ、って笑うあいつを抱きしめて閉じ込めたい。
なのに、俺とあいつの間には、綺麗で厚い幕が張ってあるみたい。
見て触れて、確かめられるのに、破れない。
悔しい、なぁ…。

◆前田慶次
誠心誠意伝えても伝わらないなんてことは珍しくもねえよ。

大抵は自分に甘くて他人に厳しい。
自分は弱音吐いてこっちに要求する癖に
こっちが思う所を話した途端逆切れされて一方的に罵声を浴びせられる。
終いに無言で行方を眩ます。

きっと俺だけじゃねえからそういう目に会った御仁は。
何処かに男前で聞く耳持った筋の通った兄さんは居ねえかな…

◆真田幸村
唯一残っていた一筋の光も完全に途絶えてしまった。
…しかし此れで良かったのやもしれぬ。此れで漸く、貴殿を忘れられるやもしれぬ。

終に伝えることは叶わなかったが、俺の願いは貴殿だけのものになることであった。彼のとき躊躇わず伝えていたら、貴殿は叶えてくださったか?…なんて、ありもしない"もしも"を考える。結局すべて、貴殿を信じその手をとることが出来なかった己のせいなのだ。

…もし叶うなら、もう一度貴殿にお逢いしたい。そうしてお伝えしたいのだ、変わらぬ想いは必ずあると。俺が貴殿を想うように、きっと貴殿を想うてくださる御仁がいると…だからどうか、もっと欲張ってくだされ。御自身を大事にしてくだされ。此の幸村は何時だって貴殿の味方でござるよ。

捻ねくれ者で寂しがりやで…とても優しい蒼き竜へ。