哀切

過去ログ95 2013/8/13 1:20

◆猿飛佐助
本人はもうこんな所見ちゃいないだろうけど。

今年の春で四周目だったね、独眼竜。どうして俺様の前から消えちゃったのかね。出逢い頭から好きにはならないだろうと言った、嘘も重ねて暴露して、散々迷惑掛け合って心配して安堵して。其の途中ではもう忍のくせして好いて好いて、心が苦しかったんだっけねぇ、本当に今じゃあ有り得ない程に、アンタの事しか考えていなかった。其れのお陰か何なのか、急に感傷に為った俺様は人様を愛して大事にする事を知った、俺様はアンタの心を守る事しか考えていなかった。何も告げなかった。だからアンタも好きだと言って応えてくれなかったんだろう、いや勿論その時に好いた相手が居たってのも判ってる。今から考えれば何とも不埒なひとときだった。でも、無駄だったとは思ってない。
もう、繋がりが手元に殆ど残っちゃいないよ、旦那。儚いね、もう死ぬ気かい。疎らだったが確かに繋がってた、どうして俺様をほっぽって行っちまったの。大丈夫、大丈夫って言わせてくれよ。アンタとのろくでもない想い出、胸に仕舞った侭でも許してくれるか?

◆真田幸村
かつて何年と共に過ごした彼の独眼竜は健在であろうか。子虎を育てていた日々、政務に追われていた日々、一日中くっつきあった日々……とても、懐かしい。
もう逢えないと分かっておるが故に、逢いたい。恋しい。

この想いを空に託して、遠く雪の降る地に住まう御仁に、幸あらん事を。

◆竹中半兵衛
…寝付けないなんてね。
彼は、元気だろうか。きっと幸せにしているんだろう。だから、もう。もう君の元へは帰れないんだ。

最期、離れ際の言葉を今になって思い出すよ。あんな事を言わなければ、と。…今更ながら悔いてしまってね。ほんとうに。
都合のいい事を言うなと、怒られてしまいそうだ。

心から愛していた。一生の宝を君に貰ったんだ。
君の幸せだけを願おう。……慶次君

◆竹中半兵衛
大丈夫、我儘なんか言ったりしないよ。僕は君を受け止める存在でありたいからね。
大丈夫、…うん、これは僕に言い聞かせる言葉。
少しだけ寂しいのは、きっと僕だけじゃない。実は待つのも嫌いじゃないんだ。君が必ず僕の元に帰ると信じているからこそ、待つ時間すら、君を想う事が出来て幸せだと思えるよ。
だから、大丈夫。