彩 愛 美
木 金 魚
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漂うように一つの空間の 歪んだ揺らぎの中
ただ時の流れを このまま停めたままで
現実とは違う世界に身を委ね 流れるように流れず
流れぬように流れて行く 心の葛藤に蝕まれ
このままずっと変わる事の無い この小さな水宇宙の中で
石化して行く心は 定まらないままに浮き沈み
僕の都合ばかり押辺て 君の事情も顧みず
一人で生き行く術も無い 囚われ人だと気付けずに
一房に群がる果実のように 一つ処に住み着いて
一時の安楽に そのまま落ちて行こう
目の前にある甘い物ばかり食べ尽くしたら その先へは進めない
仕切られた見えない壁 外の世界を夢見ていても
このまま少しづつ削られて行く 大木の欠片も何時の日にか
こんなに小さな物へと 姿を変えてしまうのだろう
瑠璃の水牢閉ざされて 歯痒い空を見上げているだけ
青の蒼さに染まるまでは 僕の心も晴れやしない
月の夜に 火照る想いも 水の中で 木彫りの 金魚になって
土に還る その日まで 夢見て 求めて 望む物は何
かぐや錦をこの身に纏い 月の鏡に映す想い
愛されたくて愛してみても 尽くせぬ愛は愛じゃない
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