|
【No.28 Res.1】 病室 1 昨年は何故かこのサイトでもあまり怪談噺をしませんでしたが、新潟も徐々に 汗ばむ季節となってきたので今年最初の?怪談噺を書いてみたいと思います。
これは今から十年くらい前に鈴木♂が知人の方から伺ったお話です。
当時、県内のある所に仲の良い三人の若い男性がおりました。 そして彼らはある時に一台の車に乗って遊びに出かけたそうなのですが、その時に その車を運転していたのは鈴木♂の知人の方の親戚の人だったのだそうです。
しかし運が悪い事にその車は走行中に電柱に激突して三人は死傷してしまいました。 (車が激突した相手は確か電柱だと思ったのですがそこら辺の記憶はちょっと曖昧です) 運転をしていた男性は意識不明の重体ながらも命だけは助かったのですが同乗していた 二人の男性は即死だったそうです。 そして辛うじて助かったその男性はある県立病院に入院したのですが、何時容体が 変わるのか分からないという意識不明の状態なので彼の家族が総出で徹夜の付き添い をするという事になりました。
そして入院してから数日が過ぎた頃、徹夜で付き添いをしていた家族の方はある事に 気が付きました。 深夜の2時頃になると誰も居ないのに病室(個室)のドアが勝手に開くのだそうです。
2 家族の方も最初はこの現象の意味が分からなかったのですが何かの切欠があったのか やがてこの現象の意味が理解できたそうです。 「死んだ二人の仲間が呼びに来ている」と。
そしてそれ以来、その時間になると家族の方は意識不明の男性の手を握りしめ 「いいか!絶対について行くなよ!」と呼びかける事にしたそうです。 しかしその努力の甲斐もなくこの男性は亡くなってしまい、そのお葬式に参列した 鈴木♂の知人が葬儀場でこのお話を家族の方から伺ったのだそうです。
鈴木♂も心霊現象を100%信じている訳ではありませんし、何かを「見た、聞いた」 というのは大半が錯覚か勘違いではないかと思っています。 しかしこのお話の様に同じ時間になると病室のドアが勝手に開くという物理現象が 起こったとなるとやはりそういったものの存在はあるのかもしれません。 何故なら鈴木♂の知る限り少なくとも病室のドアは誰かがノブを回して押さないと 開けられない様な仕組みになっていると思いますので。
鈴木♂もおっさんですから長い人生の間で今までに色んな事を体験したり、人から 聞いたりしているのですが、その多くが記憶の底に埋もれてしまい思い出せずにいます。 今回のこのお話も何かの切欠で思い出したのですが、こんな風に昔聞いた不思議な お話をもし思い出す事があったのならまたこのサイトに書きたいなと思います。
| |