怪談集




 
  【No.34 Res.0】

廃校舎〜台車〜


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Kさんがある時残業をしているとこんな事があった。
その日Kさんは社員が全員退社しても一人で残って残業をしていた。
その日の残業は製品の検査でKさんは倉庫(一階の教室)に置かれた
製品を台車に積み、作業場(体育館)まで運んでそこで検査をする。
そして検査が終った製品をまた台車に載せて倉庫まで運び、そして
それを予定された製品の検査が終るまで繰り返し行う。

Kさんが最初に製品を搬入をしたときに作業場の入り口の通路に
何故か部品を載せたままの台車が置かれていてその入り口を塞いでいた。
Kさんは誰かが置き忘れたのだろうと思いその台車を脇にどかし
そして自分が押してきた台車を作業場の中に入れた。

やがてKさんは運んできた製品の検査を終え、また製品を台車に載せて
倉庫に運ぼうとしたが、作業場の入り口がまたさっきと同じように
自分がどかしたはずの台車で塞がれている。
これにはKさんもちょっとゾッとした。
他の社員は既に全員退社していてこの廃校舎に残っているのは自分一人。
そういえば作業場の入り口に背を向けて検査をしているときに
背後で何かが動く音がかすかに聞こえていたのをKさんは思いだした。

それでもKさんは気合を入れて倉庫と作業場の往復を繰り返し
そして予定された残業を全て終えたのだが、それからあとは後ろを
できるだけ見ないようにして大急ぎで退社した。
 
 Del

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