1 黒い玉の部屋

DEATH NOTEアナザーストーリー

近日掲載

ぜひみんな、見てくだちい
2 さきに12巻まで読んでくだちい
月「中に入ってきたらどうだ?魅上照」
倉庫内に入ってくる魅上
照「紙…仰せの通りに…」
ニア「最初の名前を書いてから何秒ですか?」
照「…36、37、38…」
一同(特に松田)「ひっ…!!」
何も起こらない
月「………」
井出「だ…誰も死なない…?」
照「!? バッ、バカな…私はたしかに…!」
月「驚く事はありません ニアが言っていたはずです
  ノートに細工をしたと」
ニア(!)
月「さあニア、疑われている私が手を出すワケにもいきません
  ノートを確かめてください」
ニア(…この態度…まさかこれも想定内だと…?)
ニア「…はい、レスター、ジェバンニ、お願いします」
レスター&ジェバンニ、魅上を押さえノートを奪う
ジェバンニがノートをニアに。ノートを開き目を見開く
相沢「ど、どうなんだ…」
月「……」ニヤリ顔
ニア「…」
ニア、一番新しく名前を書き込まれたページを開いて見せる
書かれている名前は
相沢、茂木、レスター(本名)、ハル(本名)の4人のみ

一同「………」
松田「よ、4人だけ…?しかも死んでいないし…一体…」
月「死んでいない事は問題ではありません 問題なのは…」ニアを見下す
月「ニアの策は「とりあえず」失敗だった事…そしてなぜたった4人の名前しか書かなかったか」
ニア(どういうつもりだ…?この事まで想定していたのならなぜ…)
月(この展開になったか…想定していたなかでも一番頑張った方だよニア)
ニア(本物のノートすらすり替えられていた事も計算していた…
 ならば別にノートかページの一部でも隠させておき私たちを殺せば
 全て終わっていたはず…キラは何を企んで…)
月(よくやったよニア…本物のノートまですり替えるとは……
 僕は常に最悪のケースを想定していた)
ニア(偽だと気づきながら対策をとらないはずがない…なのに殺さないという事は…
 この場では決着をつけないつもりか……?)
松田「と、当初のニアの作戦にあてはめて考えるなら…
 とりあえず名前の書かれていない5人に絞られたって…事ですか?」
3 さきに12巻まで読んでくだちい
相沢「うむ…」月をチラリ見る
相沢(ニアの読み間違い…?それともこれも作戦?わからないが…
 しかし私には月君がキラとしか思えない…もし…もしも…
 月君がニアの策の上をいってしまったのだとしたら…)
月「そうですね…前向きに考えれば松田さんの言うとおりです…いや、
 私もそう思っています」
ニア&一同「!?」
ニア(キラのプライドの高さを考えればこの場で決着をつけないはずはない
 絶対に先延ばしにはしない…どうするつもりだ…)
月「ニアの考えの通りこの…魅上がキラの指示で動いていたのは間違いない
 問題はどういう指示を受けていたか」魅上を見る
照、何も答えず無言
月「4人しか名前を書かなかったのも指示のうちでしょう…ならば
 そこにヒントがあるはずです」
月(まだ大丈夫だ…ニアより先にあの事を言えばいいんだ)
相沢「では…L、松田の言うように5人の中に?」
月「はい、私の考えでは5人よりも絞れると思っています」
レスター達「!……」不安そうにニアを見る

松田「この5人の中に…」
松田、名前の書かれなかった5人を見比べ…最後に自分も含まれている事に気づき「!!」震える

相沢「L、あなたの…考えでは5人の内、誰が…?」月を疑っている目
月「そうですね…とりあえず私は何人という数字は置いておいて、
 書かれた4人に注目します」
ニア(…当然この流れ上、夜神月はいつも通りのLを演じる…)
月「おそらくこの4人の人選もキラからの指示でしょう…
 どんな意味があるのか?ここで私は…」ニヤリとニアを見る
ニア「…」
月「思い切ってニアがキラだと仮定して話したいと思います」
ニア以外の一同「!!?」
レスター「バッ…バカげた事を!何を言っている!!」
ニア「……」
4 さきに12巻まで読んでくだちい
月「失礼は承知の上です あとからニアにも反論していただきますが…
 もしそこで私が間違っていたなら全面的に謝罪します」
相沢(月君はニアを…!しかしそんな証明、できるわけが…)
松田「まさか…ニアが…」
ニア(・・・・・・)
ニア「構いません このままでは話も進みませんし続けて下さい」
レスター「しかし…いいのかニア」
ニア「はい いままでLをキラだと公然と疑ってきたのは私です
 そして確たる証拠を見せると言い、「少し」外れたのも事実…
 Lが「確たる証拠」を見せてくれると期待しましょう」
SPKメンバー「………」
ニア「どうぞ」目のアップ
月「はい」同じくアップ

月「まずニアがキラだと仮定した場合…どうして今回の4人を選んだか」
月「私がニア(キラ)の立場になって考えるなら、まず除外するのは自分(ニア)
 次に、キラだと疑いをかけているL(わたし)」
月「あとは証人として残す為に日本捜査本部とSPKの中からそれぞれ最低1人ずつ」
相沢「それで…井出と松田と…SPKのジェバンニが残された…?」
月「はい ですがそれではLとニア以外は適当に残された事になり
 決定的な証拠とは言えません」
相沢「うむ…」
月「そこで目を向けるのは書かれた方の人達です」
名前を書かれた4人、真剣な顔
月「少し話は変わりますが、ニアが魅上照に指示を出すとして…それは間接的にしかできません
 理由は私と同様、常に1人ではなかったでしょうから…まあ、
 私よりは周りにいる者達からの信用は大きかったかもしれませんが」
ニア(・・・・)
5 さきに12巻まで読んでくだちい
月「つまり、名前を書かせる4人は魅上が決して間違わぬよう、
 間接的な指示でも伝わる人物でなくてはならなかった」
松田「……あっ」
月「SPK側で言うならハルは唯一の女性、レスター氏は誰が見ても
 あの中で一番背が高く体格がいい…まあ、本名を知っていてそのまま
 教えた可能性もなくはないですが」
相沢「では…日本人の中で我々2人が選ばれたのは…」
月「はい、私達の本部の中でSPK側が直接接触し、特徴を知っているのは
 相沢さんと茂木さんだけです」
相沢・茂木「……」
月「さらに都合がいい事に相沢さんは多少なりともL(私)を疑っている…
 Lをキラとしようと考えているニアにとって、相沢さんの名前がノートに書かれる事は
 ますますLのしわざと他の者達に信じさせやすい」
一同「………」
相沢「……!ち、ちょっと待ってくれ!たしかにそうかもしれないが…
 だがノートはニアによって細工され、私達は生きている!その説は…」
月「そこが私とニアの立場の違いですよ」
相沢「?」

月「もし…私がキラなら私以外のここにいる者、全て殺せと指示すればいいのかもしれない
 しかしニアはキラ(L)を追う者 魅上のノートに細工をするよう、
 指示を出したのはニアであり、その細工をしたのはジェバンニ氏…
 私がキラだと全員の目の前で証明しなくてはならない…
 それが初代Lの後継者を名乗るニアのプライドなんです」
一同「……」
茂木「あの…L」
月(!…茂木?)
茂木「私も…相沢さんと同じく…あなたを疑っていました…正直…
 今のこの話を聞いてもその気持ちは完全には消えません…
 その説の通りかもしれませんが それでも私にはまだあなたと
 ニアの立場は対等になっただけとしか…」
一同&月「………」
月「そうです まだ足りない」
茂木「!?」
月「みなさん覚えていますか?魅上照がここへ入ってきた時の事を…」
一同「・・・・?」
6 さきに12巻まで読んでくだちい
月「あの時…魅上は心底驚いていた…ノートに細工してあると知らなかったんです
 つまり魅上はノートを本物だと完全に信じきっていたという事です
 …なぜだと思いますか相沢さん?」
相沢「えっ…それは…よほど大事に保管していたから自信があったのでは…?」
月「たとえそうだとしてもおかしい 我々が長年追ってきたキラは
 もっと用心深い 二重三重にノートを隠せと指示を出していておかしくない」
ニア(……そういう事か…キラめ…)
月(ここまで言えばもう僕の狙いはわかったろう?)
月「おそらく魅上は常にノートをチェックしていた…ならばジェバンニ氏が
 ノートの一部に細工したとしても気づいていたはずです
 それが昨日の事ならまだしも、細工されたのは何日も前…
 これ程自信をもってここへやって来るはずがない…つまり」
月「魅上照は本物のノートは別の場所へ隠していた ジェバンニが細工をしたのは
 魅上にとってダミーのノート  しかし、SPKの者達を信じ込ませる為には
 魅上が心底本物だと確信しているノートをすり替えなければならなかった!」
照「!!」
松田「え…え……?と、ということは本物のノートって…?」
ニア、前髪で隠れ目は見えない「・・・・」
月、勝ち誇ったような笑みでニアを見下す・・・

ニア「・・・・・」
レスター「ニ…ニア…」
月「ここまでは全て私の「ただの」推測です…しかし確信しています
 ニアは魅上のノートをただ細工しただけじゃない  さらに慎重に隠せと
 魅上に指示していたはずの「本物」まですり替えた…ならば
 今、その本物はどこにあるのか…?」
相沢「ま…まさか…」
月の表情、いやらしい笑みで口元がゆがむ
月「もっているはずです  SPKのだれか……いや、ニアが」
一同「………」
7 さきに12巻まで読んでくだちい
松田「まさか…本当にニアが…?」
月「ニア、よろしければ調べさせてください もちろん私ではなく…
 こちらの捜査員のだれかに」
ニア「………」

相沢「わ、私で構わないだろうか?ニア…」
ニア(…ここまで用意していたか……)
月(どうするニア?断ってもよけいに疑われるだけだ)
ニア「その必要はありません」
前かがみになっていた体を起こし、Yシャツの中からノートを出す

日本捜査員達「!!」
月、ニヤリ顔

ニア「Lの言っていた事は概ね正解です 魅上が隠していた本物のノートも
 私がジェバンニにお願いしすり替えました  昨日の事です」
レスター「し、しかしそれは…!」
ニア「もちろん全てを認めるわけではありません ノートの細工に関しては という意味です」
月「しかし…」相変わらず笑みを浮かべている
ニア「はい、あなた同様、私の無実を完全に証明できるわけではありません
 あなたをこれ以上追い詰めることも…」

一同沈黙

相沢「で、では…今日の所はこれで仕切りなおしにすると…?」
レスター「不本意な終わり方だが…それしか…」
ニア「待ってください」
一同「!?」
8 さきに12巻まで読んでくだちい
ニア「今、この段階でここを出てしまうのは得策ではありません
 この状況で私が言うのもなんですが…キラを逃がすだけです」
井出「しかしこれ以上なにができると言うんだ」
月「私もニアに賛成です」
井出「ラ…L!?」
月「だれがキラであれ、今日キラを追う全ての者がこの場に集まり
 素顔をさらしてしまった  もしこの中にキラがいるなら次こそ
 全員、命はない」
一同「・・・・」

月(さあ…どう来る…ニア?)
レスター「では…どうするのだ?」
ニア「私から質問をしてもいいでしょうか?」
月「はい、なんでしょう」
ニア「いえ、Lではなく そちらの死神さんです」
日本捜査本部達「!?」
リューク「ん?……俺?」

ニア「本物のノートとすり替えていたわけですから当然…私達にも
 その死神はずっと見えていました はじめまして…お名前は?」
月「ふっ…「はじめまして」ですか?」ニアを挑発するように微笑
リューク「ああ、リュークだ…よろしく」
ニア「リューク、これからいくつか質問したいのですが答えていただけますか?」
月「…どうです?リューク」リュークを見上げる

月、ニア、リューク以外の一同「………」

リューク(なんだかまたややこしい事になってきたな…)
リューク「ああ、いいぞ ただし…」
月「ただし?」
リューク「今、この場にはノートの所有者でない者も何人もいる…
 死神界の掟として所有者以外には言うべきではない事は言わない」
月(いい言い回しだリューク…こういう駆け引きにおいてはレムより使える…)
ニア「結構です…ではまず…」
9 さきに12巻まで読んでくだちい
ニアとリュークの間で質疑応答が繰り返される
時折、月もリュークに質問をする
見守る捜査員達

ニア「ではこのノートの…」
リューク「ああ、それは…」
月「という事は…」
やりとりが続く・・・

月(ふん…お前にはこんな事くらいしかできまい…L、竜崎の時と同じだな…)
月、魅上をチラリと見る
照、それに気づき表情のみで合図する

月(よし…魅上はちゃんとやれているようだな…ならばあとわずかだ)

ユラリ・・・(誰かの足元・シルエットになっている)

相沢達「!? な、なんだ…!?」
月(はじまった…!!)

ユラリ・・・(誰かの足元)

相沢達「!?な、なんだ!?」
月(はじまった……!!)

ニア「!」

ユラリと動いた人影の正体はハル・リドナー

ハル「うっ…うう…」ブルブルと全身を震わせ汗が滲み出ている
ハル「あああああああああっっ!!!」
ニア&一同「!!!」
月(よくやった魅上… 時間通りだ)
ハル、床に倒れ頭を抱えながら苦しそうにのたうつ
レスター&ジェバンニ「ハル!!」
ジェバンニが駆け寄る レスターは魅上をおさえながらハルを見る
ハル「ああっ!!あああああ」
井出「まさか…キラか!」
10 さきに12巻まで読んでくだちい
松田「心臓麻痺じゃなさそうですけど…きっキラですよ!」
月「くっ…こんな時に…」
相沢「ま、まずい…どうすれば…!」
月(そろそろか…)
摸木「!…ぐふっ…う…う…」顔面蒼白 その場に崩れる
一同(主に日本捜査員達)「なっ・・・!」摸木を見る
相沢「摸木!?お、おい!どうした!!だいじょ・・・」摸木の方へ
井出、松田、月、摸木に駆け寄る しかし相沢はいない
井出&松田「摸木!!」松田は「摸木さん!!」
月「こ、今度は心臓麻痺のようだ…一体…」
月、相沢の方を見る 井出、松田も月の視線を追い相沢を見る
松田「相沢さん!?」
相沢「う…ぐ……」摸木の方へ駆け寄る体勢から力尽きるように倒れる

松田、井出、レスター、ジェバンニ「・・・・・・」蒼白
ハルはいつの間にかもう動いていない
松田「こ…これで3人……つぎは…」涙目で声が震えている

月「っ…まずいぞニア!このままだと…」
ニア「ええ、全員死にます…本当にたいしたものだ…キラは…」

声「うっ…!!」
生き残っている者「!!?」一斉に声の主を見る
レスター「う……ム…んううっ…」魅上の横で胸を押さえ倒れ込む
ジェバンニ「なっ・・・!?」
ニア「レスター指揮官…」
レスター、バタリと倒れ動かなくなる 横には手錠をされている魅上が立っている

一同沈黙「・・・・・・」
11 さきに12巻まで読んでくだちい
月(よし…ここまでは予定通りだ…やれ!!)

照「ひっ…ひぃやあああああっ!!!」
魅上、突如奇声を上げ狂ったようにドアへ走り出す 足はもたついている
月「!?ま、まずい!!逃げる気だ!!」魅上を追う

魅上、手錠をしている手ではドアを開けづらい様子で月に捕まる
月、魅上を背後から固める 左腕で魅上の首を固め、右腕で魅上の右腕を組む
(手錠をしているので左腕も右腕側へ引っ張られている)
月「……」ボソッと小声で何か 魅上の顔で隠れ、口の動きは他の者に見えない

月「く…っ、あ、暴れるんじゃない!!…井出さん!松田さん!!」
井出・松田「あ……は、はい!」
月「この先何が起こるかわからない!念のため相沢さんを…
 相沢さんがもっていたはずのノートを確認してください!!それから…
 Mr.ジェバンニ!!もし協力してくれるなら…コイツを押さえ込むのを
 手伝ってください!」
ジェバンニ「あ、ああ…しかし……」レスター、ハルの遺体を見てからニアへ視線を
ニアは無言
ジェバンニ「ああ…わかった…」月、照の元へ小走り

一方相沢の遺体を恐る恐る仰向けにする井出
松田が相沢の上着をめくり、中からノートを出す
松田「あ、あります!相沢さんは確かにノートをもってまし…」
ジェバンニ「!?」
井出「ま…松田…?」
松田「ひ…う……く、く…そ…!」手からノートが落ちる
松田、顔が蒼くなっていき倒れる 目からは涙
井出「松田ァーーーッ!!」

井出「ちくしょう…キラ…!」涙が浮かんでいる そして…
井出「!!!」目を見開き天井を向く
井出「ぐ……くそ……キ…ラ…!…」倒れる

ニア「・・・・・・」
月と一緒に魅上を押さえているジェバンニ、呆然とした表情
ジェバンニ「……残ったのは…これだけ…」目をぎゅっとつむる
ジェバンニ(いや……おそらく次は……)
ジェバンニ、カッと目を開く「!…グッ…くっ」胸をおさえ、ひざが床につく
ジェバンニ(や…やは…り…わたしも……か…)
最期、月のスーツの裾を握り締めながら倒れる
12 さきに12巻まで読んでくだちい
ニア「………もういいでしょう…?キラ…」
月、魅上を放し満面の笑みでゆっくりとニアの方へ歩き始める
月「ふっ…ふふふふ……」悪魔じみた表情
月「ははははははははははは!!!僕の勝ちだ!!ニア!!!!」
ニア、座り込み表情は見えない しかし拳に力が入っている
魅上、片膝を床につけ深く頭を下げる


月「リューク…これで…」
月「新しい世界が遂に始まる…!」

月、勝ち誇ったように堂々とした態度でニアの方へ歩く
ニアはその場で座り指人形をいじっている 目はあわせない

月、ニアの前まで来たが止まらず そのまままっすぐ歩き続ける
ニアから数メートル離れた場所で足を止める そこは松田の死体の前
倒れている松田の手のすぐ横にデスノートが
それをゆっくり拾い上げ・・・月の口元のアップ(ずっとニヤリ顔)

月「こうして…」ニアへ語りかけるように
ニア無言
月「こうしていざ終わりの時を向かえると…感傷的な気分になるものだな…
 お前はどうだ?ニア」
ニア無言
月、またニアの方へ歩き始める
13 さきに12巻まで読んでくだちい
月「新世界の神の前だからと かしこまっているわけじゃないだろう?
 お前は…僕という新たな神の前に立ちはだかった最後の壁…
 つまりお前も僕と同様、時代に選ばれし者だったわけだ
 残されたわずかな時間…選ばれし者同士、有意義な会話でもしないか?」
ニア無言
月「………ふっ、まあいい…魅上!」
照「はい、神」
月「こいつの…ニアの名前は?」
照「ネイト・リバー  スペルはN.A.T.E.R.I.V・・・・・」
月、ニアの正面に立ち、ニアの前に置かれているもう一冊のノートを拾う
月「別に会話をしてくれとは言わない 黙って聞いていればいい
 お前はすぐには殺さないし…僕も勝利の感覚をもう少し味わいたい
 これはただの独り言だ…」
月、ノートに何か書き始める

ニア「………」
月「まず最初に死んだハル・リドナー、彼女の名前を書いたのは魅上だ
 ハル・リドナーが最初に死ぬ事だけはずっと前から決まっていた…」

回想・ハルが高田を護衛している時期のシーン そこに月のセリフ
月「お前達4人の中で、今日より前にノートで殺す事が可能だったのは
 彼女だけだったからな… リドナーは高田の護衛になった後、テレビや
 雑誌で素顔を出していた 死神の目を持つ魅上にはいつでも殺す事ができた
 殺し方のみ指示を出しておき、運命の日の日時が決まり次第書けと
 命令しておいた…」
14 さきに12巻まで読んでくだちい
月「次に…捜査本部の連中…」
月「奴らの名前を書いたのは…高田だ」

回想・ホテルでの密会、高田のプライベートのシーン 月のセリフ
月「奴らもリドナー同様、殺し方、タイミングは決まっていた
 あとは僕が高田にわたしておいた写真で最後に会ったあの日に
 名前と死の状況を書かせた
 まず、摸木、相沢が死ぬ そしてそれを確認した後、少し時間をあけ
 残りの2人が死ぬように」

月、書き続けていたものが終わった様子 ペンをしまう
次に腕時計をニアに見せる 仕掛けを解除し、ノートの切れ端を見せる
そこには「Anthony Carter」

月「レスターを殺したのは僕だ」

回想・ハルが苦しみはじめたあたりのシーン 月のセリフ
月「レスターの名前はお前が見せてくれた…あの偽ノートで知ることができる
 あとは書き込むタイミング…そのわずかな時間を作る為にはリドナーには
 思い切り目立って死んでもらう必要があった…充分に役割を果たしてくれたよ」

月「最後にジェバンニ」
月「奴の名前を書いたのは魅上だ」
月、スーツの上着をめくりベルトを見せる よく見ると…
ベルトの右腰側に紙切れが挟まっている

回想・月が魅上を押さえているシーン 
月は魅上の背後でボソリとつぶやく「僕の右側のベルトの内側だ、書け」
背後から魅上の右腕を固めながら小さな鉛筆を魅上の右手に握らせる
モゾモゾと暴れる動きを見せながらゆっくりとジェバンニの名前が書かれていく

月、2冊のノートを重ねて右手に持ち、左手はポケット
月「これでタネ明かしは終わりだ  お前も少しくらいは見当がついていたかもしれないが」
ニア「………」
月「さて、楽しかった時間もこれで終わり…さよならだ…ニア」
月、ニアに背を向けドアの方へ歩き始める
魅上もいつの間にか手錠を外していたようで月のあとにつづく
15 さきに12巻まで読んでくだちい
ニア「…キラ」
月「!」
ニア「最後にひとつだけ…どうしてもわからない事があります」
月「なんだ?」顔は怖いが声はおだやか
ニア「あなたのとった策は…どう考えても一番安全な方法だったとは思えません
 確実な策はやはり…魅上が倉庫へ入る前…あの時に全員の名前を書かせていた方が
 一番安全だった…私の策を読んでいたあなたです
 ノートの切れ端を魅上に隠させておく事くらいできたはずです
 ……なぜこんな回りくどいマネを…?」
月「・・・・・・・」
月「理由は簡単さ…それは…」

場面変わってYB倉庫から数百メートル離れた場所に月と魅上
倉庫から徐々に黒い煙が見え始め炎が立ち上る

倉庫内、炎に包まれる死体たち
炎の中に唯一立っている黒い人影…ニア

消防車のサイレンが聞こえ始める

燃える倉庫を見る月の顔のアップ

回想・月の声
「なぜ、こんな方法をとったか…理由はひとつだけだ…」

ノートを開く 先ほど月が書き込んだページのアップ

(L…竜崎の時はできなかった…)

[内容]
「Nate River 焼身自殺 
 1月28日 15時30分、部下を死なせた責任と
 勝負に負けた悔しさに耐え切れず、倉庫内の死体を一箇所に集め
 倉庫に火を放ち自殺」

月の顔、下からアップ
(お前の名前を僕が自らノートに書き込み殺す…そのためだ)


死神界の「窓」の向こうに人間界の街並みが広がっている

人間界、東京のビル群
16 さきに12巻まで読んでくだちい
-- 1年後・・・2011年1月28日 --

警察庁内、廊下を歩く月 次長室の前までやってくる
ノックをし入室 ガチャッ
月「失礼します」
鍵山次長「来たか夜神君…忙しい所呼び出して悪いね」
月「いえ…例の件についてとお聞きしましたが…?」
鍵山「うむ、今までテストケースとしてやってきた君の部署…
 犯罪者情報管理室を4月から本格的に全国の警察機関で導入し
 同時に反キラ派対策本部もその規模を拡大する事に決定した」
月「はい」
鍵山「それに伴ってだが…君にはその新本部の本部長をやってもらいたい
 しばらくは今の管理室室長と兼任で…という事になるが…
 近いうちに一つの部署として統合し新部署として始動する予定だ」
月「はい、ありがとうございます」
鍵山「いや、キラからもずっと要請されていた事だ…
 キラと警察が連携をとりやすい体制を…と」
月「ええ…そうですね」
鍵山「……夜神君」
月「はい?」
鍵山「君には苦労をかけるな… キラのせいで父を亡くした君にとって
 本来キラは憎むべき存在なのに…それを支える組織を任せようとしている…
 もっとも世界全体が今やそういう時代になってしまったのだが……」
月「………いえ、お気遣いは無用です」
月「もし父が生きていたら今のこの世界を認めたりしないでしょう
 その手助けをしている僕を殴り飛ばすかもしれません…しかし
 Lと旧キラ捜査本部がキラに屈した時点で世界の道筋は決まったんです
 ならば僕は…この新しい世界の平和を守る為、警察官として
 自分のできる事を全力で尽くすだけです」
鍵山「…うむ、君には期待している」
月「失礼します」
月、退室
警察庁内廊下、「犯罪者情報管理室」前
警官A「あ、夜神室長、神奈川県警の視察の件で先程お電話が…」
月「ああ聞いてる 確認済みだ ありがとう」
警官B「夜神室長、報告書 デスクの上に置いておきました」
月「OK 今日はもういいぞ」
17 さきに12巻まで読んでくだちい
月の向かいから刑事が一人歩いてくる
山本「あっ、夜神室長 お疲れ様です」
月「ああ お疲れ、今日はもう上がり?」
山本「ええ、どうです?久々に飲みに連れてってくださいよ〜
 モチロン!美人の奥様もさそって〜…」
月「わるいな、新しい仕事が増えて当分残業だ そのうちな」
山本「え〜〜、そんなぁ〜〜」

場面変わって どこか外国の日常風景
色々な国の街並みの描写
どれも平和で穏やかな様子

夜、部屋の一室に明かりがついている
暗い部屋 卓上スタンドの明かりのみ
机に向かって何かを書いている月の後ろ姿(デスノートは見えない)

机にペンを置き、椅子にもたれかかり「ふう」と一息


その背後…

何もない暗い空間に真っ赤なリンゴがひとつ 浮かんでいた

(そのリンゴの上に文字)
「This story of "DEATH NOTE" is end.」