1 もけ

裏側

少し長くなってしまうけど、下手文、聞いてください。
俺の友人、涼(仮名)は、とても強い霊感をもってて、一緒にいるときに怖い目に何度もあった…

ある日、涼と部屋で酒を飲んでいるとき、涼にそれとなく霊とかのことを質問してみた。(俺が興味があったので)
普段、涼はこの手の話はしない。あまり自分が霊感を持っていることを人にしられたくないらしい。俺も、つい最近彼に霊感があることをしったのだ。そのエピソードも洒落にならんのだが、今回は置いとく。

酒が入った涼はお喋りになるので聞き出すチャンスだ。
以下、会話文

俺「どんな感じなの?見えるって」
涼「どんなって…普通にそこらに歩いてるよ。たまに目が合うと、ついてきたりするけど、そこらに歩いてる奴はあまり問題ない。」俺 「じゃあ問題ある奴は?」
涼「裏側から覗いてくる奴とか、裏からいきなり出てくる奴。こないだのはそう。」
(こないだとは、俺が彼の霊感を知るキッカケとなった出来事)
俺「ああ、おまえ相当怖がってたもんなぁ、でも裏側って何?四次元みたいな?」
涼が酔っていて、説明下手なので、要約すると、「裏側」とは、勝手に涼がつけた名前で、言葉には表しにくいが、涼いわく「ふとした時に自分の前に現れる」らしい。例えば、いきなりカーテンをめくって出てきたり、鏡をみたら後ろにいたり…といった(実話)感じらしい。
そこまで話して、涼がいきなり無口になった。俺は嫌な予感がした。
(そんなホラー映画じゃあるまいし、このタイミングはなぁ…)
などと思っていると、涼が、「塩ある?」と言ってきたので、台所から塩のビンを持ってきた。
俺「何?え?何?」
涼「ヤバいなぁ…タンスから出てきやがった」
んなアホな!と思って見ると、タンスが少し開いている。ゲ、と思ったが、何も見えない。最初、からかわれてるのかと思ったが、ふと、消えているTVの画面に写ったそれを見てしまった。
(P902i/FOMA)