1 華墨慶斗

ミッドナイト・サンvsダスク

避けられない運命、
怪獣王が一番大切な者を奪われし時、
最強の破壊神が蘇る―――


舞台は2000年3月1日、
あの日≠ゥらちょうど46年後の日本。
[裏設定とかEtc.]
テーマは人間対怪獣。ベースはGMK。 因みにタイトルは、直訳すると『白夜VS黄昏』です。 因みに例のアレは、英語のスペルに引っかかったみたいです。
63
その頃、Mハンター宇宙星雲・ガイガン宅。一日中激務に追われていた彼等はすっかり困憊しきっており、真夜中が過ぎるや否やすぐさま眠りに着く者が続出していた。

そんな中、こっそりと龍聖と龍皇はテラスに出て夜風に当たっていた。

龍聖「すっかり静かになったな……」
龍皇「あぁ…しかし、一向に彼奴からの連絡がない。」

もしや、と言いかけた所でふと口を噤む。もし言葉を続ければ、間違いなく弟は嘆き始めるだろう。

「それにしても、彼奴と出会った時は呆れるものだったな。まさか龍聖とゴジラが対峙している時にいきなり空が割れたかと思うと……」
龍聖「そうだったな。当初はヤプールの襲撃かと思ったが…」

その後、いきなり左右を見まわしたかと思うと、「なかなか強そうじゃねぇか」とか言って、半ば三つ巴の激戦になった事がきっかけだった気がする。
更に、彼の従兄や身内、そして配下までもが現れ、龍皇宅は賑やかになった。

あの日――父上の復活とあの戦争が来るまでは……。


龍皇「龍聖、寝なくて良いのか?…その、」

何やら言いにくそうな兄に、龍聖は少し苦笑いした後、すっと腹部を撫でる。

「あぁ、心配はいらない。このぐらいでどうとなる程度ではなかろう。」
「しかし「ハーイ、こんばんわ。兄弟仲良く何話してるの?」

いきなり二人の中を割って、アンバーが入り込んできた。彼だけはあれだけの労働があったのにも拘らず、余裕だ。

龍皇「あ、アンバーか。驚かすな。」
アンバー「そりゃどうも。龍聖さん、遂におめでただね。何せ、あれだけ激しくやt「それ以上言うな。恥ずかしいだろう」
[裏設定とかEtc.]
またもや妊娠ネタ発動(裏的すみません;
64 削除済
65 華墨
アッパーをかけられ、ひとしきり笑いあった後、

龍皇「……恨んでいないか?父上を」
アンバー「全然。それに…」

シアンから聞かされていたから。
いつか白夜が目覚めた時、黄昏に身体を渡して闘わせると契約を交してした事、命を落とす可能性が高い事。

アンバー「僕が許せないのはむしろ、人間の方だから」

引き金を引いたのは確かに龍鬼に一因があっただろう。
だけど根源的、根本的な原因は、あの惑星に住む人間たちだから―――――


.
身体が1ミリたりとも動かない。
呼吸が、鼓動が弱く小さくなって行くのがわかる。
力を使い果たし、体の全機能が停止しようとしている。

最後に残された白夜の力で、逃れた怪獣たちの現況を見る事が出来た。
それによりまた一人、脱落者が出ていた事を知る。

桐生が、メモリーデータを奪われプログラムを完全に破壊され、DNAコンピューターをウイルスにより使用不可に――事実上の死を迎えていた事、それをシニアが行った事。
そしてそれがあのままでは精神的に桐生が壊れてしまう事を懸念しての行動だという事を。

全ての怪獣に言える事だが、つくづく同族に甘い。


遠くにいる息子と同族たちを想いながら、安らかな表情で永遠の眠りについた。
[裏設定とかEtc.]
東斗、死去。 死者も含め全員の行動が未来へ繋がって行く。 残された地球怪獣たちは…
66
あれから数日が経ち……場所は南海の孤島に漂う怪獣島。そこに訪れる者が一人。

「おーい、誰かいますかぁ?」

その声こそ、かつてここに住んでいたラドンのものだった。流石に九州に帰省できなくなった彼は火輪を連れて、一応住み家である怪獣島に戻ってきたのだった。

火輪「やっぱし此処には誰もいねぇんだよ。いるとしたら、アドノア島とか……」
ラドン「いいえ、大抵の同志達は此処に戻ってくるはずです。恐らく葵君も…」

とはいえど、これだけ探しても見つからないという事は、何かがあったという訳だ。
諦めかけたその時、突然藪から先端を尖らせた棒が突き出てきた。

「うわ/何じゃあ?!」

間一髪で避けたは良いが、直後に人影が出てきて威嚇し始める。しかし、よく見ると……

ラドン「…ゴロザウルス!貴方ゴロザウルスではないですか!」
ゴロ「ん……ラドンか?それに、傍らのは?」

火輪「あ、初めまして。この女たらしの同族・火輪っす。以後お見知り置きを。」

軽く自己紹介され(少し突っ込まれたが)、彼等は密林から場所を変えて、海の見える丘へと場所を移される。
時折吹きぬける潮風が、この日ばかりはやたらと寒く感じる。


ラドン「この島には、貴方一人だけが残ったのですか?」
ゴロ「うんにゃ。何時ものメンツさ。生憎モスラ達はインファント島だがな。
因みにこの島を残しておいた理由は、慈悲だとよ。」

火輪「そう…ですか……そういえば、葵見ませんでしたか?」

そう聞かれ、ゴロザウルスは苦い顔をする。

ゴロ「彼奴なら、親父の葬式挙げた翌日に姿消しちまってよぉ…おまけに旦那も息子も行方不明。参ったぜ。」

要するに、この島にはゴジラ族がいないという事だ。
その事実を聞いて、火輪は顔を俯かせる。

「彼奴が…行方不明……」
ゴロ「ついでに、サバイヴの身を心配してセラフィがその後を追ってるんだけど、見つからずじまいなんだ。」

ラドン「……そうなんですか。」

細くつぶやいた声も、潮風にかき消される。すると、上空に三つの飛行物体が映った。

ゴロ「んあ?ありゃ何だ?」
火輪「…UFOか!?しかも、こっち来てる!」
ラドン「まさか、遂に島破壊ですか!?」

反射的に身構える三人。しかし、それは全く違っていた。

良く見るとそれらはUFOではなく、寧ろ見覚えのある亀の甲羅を模した飛行物体だった。

火輪「あれは…ガメラ?けど、一人足りないぞ?」
ラドン「おぉ、麗しき乙女よ。よくぞご無事で「ハイハイ、口説くのは後だ。」

ゴロに押しのけられるも、ラドンはちゃっかりと片手にバラを用意している。
そんな彼らを気にせず、ガメラとその妹達は怪獣島の大地に降り立った。

ガメラ「久しいな、ゴロザウルス。そして…火輪。」
ゴロ「おぅ。…あれ、髪切ったのか?」

見れば確かにガメラの髪は不自然な程バッサリ切られており、今や頭飾りは青いハチマキのみだ。

トト「これは…ちょっと訳ありなの。」
ラドン「イメチェンですか…実に可愛らしい。今からお茶でもアンギャアァァァッァアア!!!!」

結局ラドンは何時もの様に男二人にシバかれた挙句、近くの木に吊るされたとさ。
[裏設定とかEtc.]
久々のガメラ登場。次でラスト…ですかね?
67 華墨
一年後、地図から消されたとある島。
そこは太平洋戦争で一時期激戦区と化し、後の水爆実験で南国の楽園から一変、長きに渡り死が支配する砂と岩だらけの墓標。

そんな場所でポツンと佇む人影があった。

喪服のような黒ずくめの服装で長身を包み、無造作に伸びた黒髪と、感情が希薄に感じられる青い瞳。
Jr.――いや成体へと成長した葵だった。


あの時アドノア島に飛ばされ、涙が枯れるまで泣き続け、泣き止んだ時、泣く事も怒る事も笑う事も忘れてしまった。
いや、出来なくなってしまった。

「幸せになんて、なれる筈がない」

自分のせいで皆が死んだのだと責め続け、誰にも心を開く事が出来なくなってしまった。
誰も葵を責めなかったが、それが一層心を傷つけた。


「誰よりも、お父さんより強くなるよ。それしか今の僕には出来ないから」

何があっても大切な人を救えるように、傷つけないで済むように。
東斗が闘いのゴジラならば、葵は守りのゴジラになろう。

全てが始まったここ、ラゴス島にそれを誓う―――


.
end
[裏設定とかEtc.]
それぞれが新たな世代へ。 次はこの数年後、最終戦争までやりたいナ←とか言ってみる。