1 真鍋京子

M宇宙ハンターカフェ

街中を闊歩している、トサカと角を生やした、ご存知美男美女カップル。

最近すっかり相思相愛の二人は、これまたチラシを手にイチャコラしている。

角の生えたボクっ子----メガロは、彼氏----ガイガンにチラシを見せハシャいでいる。


「これ!ゴジラの息子の、撮影の休憩時間に貰ったんだ♪」


ガイガンは、メガロの可愛らしい笑顔に照れつつ、チラシを覗き見るが………


なぜか、訝しげな表情を浮かべた。


「------俺が、大作さんから聞いたのと違うな?」

「えっ------?」


メガロは、再びチラシを確認する。


「M宇宙ハンターカフェ兼島根県応援カフェって書いてあるけど…」

「その『兼がつくまえ』なら聞いた」
[裏設定とかEtc.]
箸置き的ネタなので、お気楽にお楽しみ下さい;
7 真鍋京子
「カズヒコさんと、いっしょにつくった」


とタクヤが自信満々に説明していると、フワリ、といい匂いが。


「おまちどおさま。子供ランド特製ランチだ」


タクヤにスケッチブックを片づけるように促し、二人の前にランチプレートを置く大作。


「タクヤ、いっぱい描けたか?」

「いっぱい、かけた」


タクヤが、ちびっ子のような満面の笑顔を見せると、大作はガシガシと頭を撫でた。


一方二人は、ランチを見つめながら、感嘆の溜め息をついた。


「本当に、子供ランドみたい…」


プレートをジオラマに見立て、人参を削って作ったゴジラタワーの土台はハンバーグ、タワーの各施設は季節野菜の温サラダに、マッシュしたグリンピース、デザートには小ぶりのプリンが添えてあった。


「飲み物のオーダーも受け付けるが…」
8 真鍋京子
「ぼく、アイスキャラメルマキアートで」

「俺はアイスコーヒー」


飲み物のオーダーを受け付けると、タクヤが立ち上がり奥へ。


ランチに舌鼓を打つ間、ガイガンは大作に疑問をぶつけた。


「そのまま、M宇宙Hカフェでも良かったんじゃないか?」

「俺も最初はそのつもりだったんだが、カズヒコがなぁ…」


話によると、カズヒコが頑として『島根県』を推していたそうで。


「アイツ、どういう訳か島根県の魅力に取り付かれて、常に部屋着として島根県応援Tシャツを着ているらしいからな」
9 真鍋京子
そんな雑談を交わしているうちに、タクヤが飲み物を運んでくる。


がーーーーーーーーーーーーーー


突如として、室内のブレーカーが落ちた。


「ーーーー非常電源に切り替えろ!」


ガイガンはその言葉の次の展開に、何となく予想を付けていた。

そして案の定、ブラックライトが照らされた訳だがーーーーーー


そのブラックライトの影にーーーーガイガンは、カクンと顎を落っことした。


事務局長の背後にはーーーー軍服を着た男の姿。

タクヤの後ろにはーーーー恐ろしい形相の子供。

そしてーーーー傍らのメガロの背後には、手を前に突き出した子供が映っていた。
10 真鍋京子
メガロは思わず、影の真似をして手を前に出しーーーー抑揚のない口調で、こう言った。


「たーかーのーつーめー…」


ーーーーーーーーーーーーーーーー;


それからメガロは、しばらくの間タクヤと鷹の爪トークで盛り上がり、しっかりと島根県応援Tシャツやらグッズを購入したのだった(勿論、支払いの全てはガイガン持ち)。


結論ーーーーーーーーーーーーーー


ランチは美味しかった。


店内のディテールやサービス、アトラクション(ブラックライト)も申し分ない。


「ただ、島根県応援の意味があまりないような………」

「カズヒコにしっかり伝えておくよ」


最後に、サービスだとお土産まで持たされた。


「タクヤが作った、ゾルゲル産・黄色い実のクッキーだ」


空けてみると、可愛らしい形の黄色いクッキーがたくさん入っていた。

メガロは目を輝かせながら、大作に頭を下げる。


「ありがとう大作さん!ボク、明日からでもここに通うから!」

「そいつは嬉しいが……あくまで仮店舗だからな」

「そっかぁ…」


後々、本格的にオープンしたら通うことを約束し、二人は店を出た。
11 真鍋京子
「ガイガン!また一緒にこようね♪」

「ああ…」


メガロの無邪気な笑顔に、ガイガンは幸せを感じながら頷いた。


(たまには、カフェも悪くない……)


ガイガンは、そんな事を考えつつ、メガロを促しながら帰路についたーーーーーーーー


(おしまい)
[裏設定とかEtc.]
お目汚し失礼いたしました;次回はコラボの続きの方で……