玖妙夢堂
海邊〜circulation〜
海から生れ
海へと還る
太陽の樣に
波から生れ
波へと還る
生命の樣に
輝くものも
霞むものも
時を刻んで
音だけ殘す
濱から生れ
濱へと還る
記憶の樣に
夏から生れ
夏へと還る
靜寂の樣に
搜しものも
忘れものも
熱に妬けて
痕だけ殘す
海から生れ
海へと還る
太陽の樣に
波から生れ
波へと還る
生命の樣に
輝くものも
霞むものも
時を刻んで
音だけ殘す
濱から生れ
濱へと還る
記憶の樣に
夏から生れ
夏へと還る
靜寂の樣に
搜しものも
忘れものも
熱に妬けて
痕だけ殘す
(506SH/s)
玖妙夢堂
朧氣〜fuzzy〜
其の時、空と海とは
繋がって青に滿ちる
明確が常に正解だと
一體誰が決めたのか
曖昧に目を凝らす君
曖昧に目を逸らして
挫けさうになる炎天
其の時、空と海とは
繋がって青に溶ける
澄渡る物が相對だと
一體誰に映ったのか
曖昧に氣を紛らす君
曖昧に氣を盡くして
倒れさうになる炎天
其の時、空と海とは
繋がって青に滿ちる
明確が常に正解だと
一體誰が決めたのか
曖昧に目を凝らす君
曖昧に目を逸らして
挫けさうになる炎天
其の時、空と海とは
繋がって青に溶ける
澄渡る物が相對だと
一體誰に映ったのか
曖昧に氣を紛らす君
曖昧に氣を盡くして
倒れさうになる炎天
(506SH/s)
玖妙夢堂
豪雨〜iron〜
不通の路線が記憶を深くする
何物にも沈まず洗ひ流せない
此れまでも此處からの季節も
自然の惡戲が濃密を長くする
幾重にも絡まる熱に溺れては
果てるのが口惜しくて引摺る
肉類と魚類が酒席を旨くする
尚更にと添へた音に躍りつつ
懷かしさに鼻歌してる今宵か
運命と偶然が後味を甘くする
距離さへ隔てど想ひ繋がると
激しくなる雨足よりも強靭に
不通の路線が記憶を深くする
何物にも沈まず洗ひ流せない
此れまでも此處からの季節も
自然の惡戲が濃密を長くする
幾重にも絡まる熱に溺れては
果てるのが口惜しくて引摺る
肉類と魚類が酒席を旨くする
尚更にと添へた音に躍りつつ
懷かしさに鼻歌してる今宵か
運命と偶然が後味を甘くする
距離さへ隔てど想ひ繋がると
激しくなる雨足よりも強靭に
(506SH/s)
玖妙夢堂
齡鏡〜possibility〜
然うして何時か
出來得ることが
少しづつ増えて
齡と呼ばれても
怖けづく内面は
子供の頃のまゝ
愛しさの造形を
味はふ梅雨の夜
然うして何時か
出來得ぬことが
少しづつ増えて
齡と呼ばれても
抗はんと藻掻く
子供の頃のまゝ
愛しさの片鱗を
竝べる梅雨の夜
然うして何時か
出來得ることが
少しづつ増えて
齡と呼ばれても
怖けづく内面は
子供の頃のまゝ
愛しさの造形を
味はふ梅雨の夜
然うして何時か
出來得ぬことが
少しづつ増えて
齡と呼ばれても
抗はんと藻掻く
子供の頃のまゝ
愛しさの片鱗を
竝べる梅雨の夜
(506SH/s)