夜回りジハード
過去ログ1943
2022/6/16 10:55
▼芳長すぎるwww
▼否1984の感想が、長大になってしまいました。
▼否■ニュースピーク
ニュースピークが「言葉の数を減らすことで、思考の範囲も減らす」ことを目的としている一方で、本省のニュースピークは言うなれば「自分達の都合が良くなる言葉を自分達で作って、それを根拠に自らを正当化する」ことを目的としている。お役所言葉で国民を騙していると同時に、自分達自身も騙している、とも言える。(まさにダブルシンクだ)
■ダブルシンク(二重思考)
本省では毎日「本音と建前」というフレーズが出てくる。例えば、過去の偉い人が思いつきで言ったことが政策となり、今日まで連綿と続いていて、毎年予算を獲得しなければいけない。そんな中、財務省から「予算が欲しいなら計画を示せ」と突然言われたとする。本音は当然「思いつきで始まったのだから、計画なんかございません」なんだけれど、それだと予算が取れないから、ないはずの計画を建前として今から作ることになる。面白いのは、計画なんてないことは僕らは当然として、財務省だって勘付いているのに、急拵えして作った計画もどきをもどきと知りつつ、「こういう計画なんですね、分かりました」といって計画としてちゃんと受け取ってくれる。ウソと知りつつ、それをみんなしてホントと受け取り、ホントは別にあると知りつつ、それをみんなしてウソにする。僕はずっとこれに馴染めなかった。
■シンクポル(思想警察)
シンクポルは実際に役割として存在するんだけれど、最終的にはシンクポルがいなくても「シンクポルがいるかもしれない」と自己検閲が内面化してしまう。これは日本で言う「空気」だと思う。
■永久戦争(戦争は平和である)
本省は「価値を生み出す」と言う点では仕事をしていない。では何をしているのかというと、年がら年中他課や他局や他省と調整という名の喧嘩をしている。喧嘩をしたからといって何かが生まれるわけではもちろんなく、ただ時間が過ぎるだけだ。ここで一番大事なのは、喧嘩にかまけていられるお陰で、本当にしなくてはいけない仕事をしなくて済む、という点である。本当は国民のために仕事をしなくてはいけない。しかしそれには、継続的な勉強を広く深くしなくてはならない。でもそれは面倒だ。そんなことしないで、いい給料もらいたい。だから喧嘩をする。もちろんそれはプロレスであって、ガチンコじゃない。結果として、みんなで平和を享受するのであった。
▼否描かれているディストピアの世界が、国交省にそっくりだった。
面白く読んだけれど、それ以上に空恐ろしくなった。
とりあえず、キーワードごとに、小説での描かれ方と本省での現れ方を整理してみた。
■ビッグ・ブラザー
本省は「この資料を誰か(不特定な上司)が見るから、その誰かが見ても問題がないように作ろう」という圧力が常に働いているが、これはまさに「Big brother is watching you」そのものだと思う。ビッグ・ブラザーの実体が不明で、ゆえに本当に見ているのかさえ分からないにも関わらず、見られていると感じている自分がいるがために、結果としてビッグ・ブラザーを産んでしまう構図も同じだ。
■エマニュエル・ゴールドスタインと2分間ヘイト
本省には常に敵が必要で、課間で調整となれば「他課はバカだ」となり、局間で調整となれば「他局はバカだ」となり、他省と調整となれば「他省はバカだ」となる。敵をけなして溜飲を下げるだけで、仲間の結束が深まるわけではない、という部分も含めて、本省では2分間ヘイトが日常的に行われている。
■101号室
本省に101号室はない。我々の大好きな「代わりはいくらでもいる」の名の下に、思想犯は去るのみである。
(実際は代わりなんていない。人間は減るが、仕事は減らない。むしろ年々増えている。残った人間を馬車馬のように使い切るしか脳がない。)
▼芳感想を>否
▼否1984読了。
▼芳20年前と比べると車は低燃費になってるのにガソリン代上がってて、世の中うまくいかない感すごい
▼芳とはいえ仕事量がぶっ飛んでて終わる気がしない
▼芳ありがとう>否
いまのところは大丈夫ですがやり過ぎないようにしますw
▼否とても楽しそうだけど、仕事し過ぎてない?
大丈夫かい?
>芳