溺愛(R20)

溺れさせるように沢山の愛を与えたい。今にも零れそうで俺の両手じゃ如何にも抱えきれそうもない。…―ああそう、そこのお前。少しだけでも良いんだ、貰って行ってはくれないだろうか。


悪いが此方から提供出来るのは俺だけだ。それにこう面白味の無い人畜無害な性格で在るから特別な事は出来ないと先に一つ、詫びておく。

三つ程願い出たい事がある、
一つ、じわりと温く俺の愛情を永く受け入れてくれ。一人行方を眩ますような事は、絶対に。
二つ、「愛して」と言って、願ってくれ。恥なんて思わずに。叶うなら毎日でもその言葉が聞きたい。
三つ、話す時はこの手の届く距離で。一緒に居る時は吐息が重なる程近くにいよう。


老若男女、誰でも声を掛けてくれ。ああレディが見ているかもしれないからな、感じずとも丁寧には話しているつもりなんだ。お前が米や仏、西なら口調もやや乱暴になる。

手紙は自由に書いてくれ。そう、だな…強いて言えばお前がどんな性格なのか、どういうのが嬉しいのか。それが一番気になる、かな。

貴重な時間を俺の為に割いてくれて有難う。なんて自惚れか。まぁ暫く待ってるから、おいで。