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陽炎(Rー15)

陽炎をご存知でしょうか。別名逃げ水とも呼ばれるこの現象は、夏の暑い盛りによく起こります。決してたどり着く事のない儚い虚像、ゆらゆらと揺らめく熱せられた空気は我々の目を錯覚させる。
――私は、陽炎になりたいのです。あなたに無償の愛を注ぎ、それでも決定的な言葉は口にせずに。不毛だと笑うのであればそれも一興。私はあなたを否定しない。心と肉を現し世に置いたまま人に振り回されるのは少々飽いました。あなたの都合のいいようにお使い下さい、どうせこれはあなたの目が見せる錯覚なのですから。


基本のやり取りは半、完を回すはあなた次第。一日にお会いする回数もあなたが望むままに。
私からのお願いは2つだけ。あなたの上司様が義務教育を終えていて下さること、重ねてもし裏行為を望むのであれば18歳を越えていること。わたしに飽きてしまったならその旨をお伝え下さること。
私が姿を模することができるのは英、米、露、中、独、日、伊※兄※弟、仏、西、土、韓。あなたの姿は問いません、是非好きな姿でいらして下さい。

興味をお持ちの方はこちらに希望する姿とあなたの姿を明記の上で便りを飛ばして下さい。紙飛行機にして空に放って頂ければすぐに私に届きます。早くあなたにお会いしたい、私が消えてしまう前に。
有り難いことに何人もの方からお声を頂きました。この朧を必要としてくれる方がいらしたことにまず驚きを隠せません。しかし薄っぺらな我が身は幾人もの逢瀬に堪え得る力を持っていない。
しかるべくは明日、金曜日の日付が変わるまでの募集とさせて頂きます。それまでであればいつでも私に便りを飛ばして頂いて結構。日付が変わってから陽が昇るまでのお時間にどなたかお相手願う方にのみご挨拶に伺います。揺らめく虚像の分際で誰かを選ぶという暴挙をお許し下さい。

それでは今暫くのお別れを。