34 作家◆5KV8
あれだけ実績があっても、開幕前夜は毎年緊張する彼。練習を積み重ねて自分を信じても、相手も年々研究してくる。怪我もないとは限らない。遠征に、交流戦に、オールスターに…もしかしたら北京? 夏場もスタミナ切れせず一年乗り切れるか…フルシーズンのあの長さが、強烈に蘇る。
抱き合っててもその緊張は伝わってくる。いつもは、彼もリラックスしてあたしを包み込んでくれるような感じ…でも今夜は少し硬くこわばって体温も少し熱く、鼓動も落ち着かない感じ…。
彼はベッドに横になり、あたしを抱きしめる。彼の背中に腕を回してキュッとくっつき、背中をゆっくり、ゆっくりさすると「ふぅ…」ちょっとだけリラックスしたようなため息…。