65 作家◆5KV8
>>45
例の野球選手には、検査だ注射だ薬だと言っては野球好きの先輩が行くので、あたしは最初のうちは行く機会なんて全くなかった。担ぎ込まれて来た時、痛いはずなのに周囲にちゃんと気を使う人だな、たまに悔しそうな表情してたっけ…漠然とした記憶だけが残ってた。
入院2日目の夜。たまたま先輩も他の子も出払ってる時にナースコールで呼ばれ、初めて彼の個室へ。「どうされましたか…?」聞きながら、初めて彼と目が合う。しばらく目を離さない彼にあたしは、あっすみませんいつものナースと違って…と言った。彼は「いえいえ、そんなんじゃないです。すみません」と答えて、ちょっと照れ笑い。
??じだきゅう?を、あてた…?「ああ、自分で打った球って意味だよ。その球が当たっちゃったんです」普段なら大事には至らないけど、今回は前に別のケガをしたところに当たっちゃって、検査と治療が必要になったらしい。
用件が終わり、個室を出ようとした時「このへんに…いつもいるナースさんですか」そうですよ。…?「あ…いや…ありがとう。」あたしはニッコリ微笑んで、個室を出た。
例の野球選手には、検査だ注射だ薬だと言っては野球好きの先輩が行くので、あたしは最初のうちは行く機会なんて全くなかった。担ぎ込まれて来た時、痛いはずなのに周囲にちゃんと気を使う人だな、たまに悔しそうな表情してたっけ…漠然とした記憶だけが残ってた。
入院2日目の夜。たまたま先輩も他の子も出払ってる時にナースコールで呼ばれ、初めて彼の個室へ。「どうされましたか…?」聞きながら、初めて彼と目が合う。しばらく目を離さない彼にあたしは、あっすみませんいつものナースと違って…と言った。彼は「いえいえ、そんなんじゃないです。すみません」と答えて、ちょっと照れ笑い。
??じだきゅう?を、あてた…?「ああ、自分で打った球って意味だよ。その球が当たっちゃったんです」普段なら大事には至らないけど、今回は前に別のケガをしたところに当たっちゃって、検査と治療が必要になったらしい。
用件が終わり、個室を出ようとした時「このへんに…いつもいるナースさんですか」そうですよ。…?「あ…いや…ありがとう。」あたしはニッコリ微笑んで、個室を出た。