1 華墨慶斗

King of Doragon-Kingdom

直訳『龍王の王国』。
最近タイトルに横文字多いな自分←


改めて新婚(爆)生活の龍聖と碧、息子の龍爛。

彼の親代わりでありアンバーの父親のマゼンダが回想する、ゴジラ一族とギドラ族との歴史。

それはゴジラという怪獣が誕生する前に遡る―――
[裏設定とかEtc.]
先々代に当たるマゼンダとまだゴジラザウルスだった煌との出会いが全ての始まり。
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龍皇「それにしても、龍聖のあんな吹っ切れた様な貌は、彼奴と逢う前まではなかったな。」

若干口が達者で、それが原因でトラブルが起きる事も多々あったが、今の碧になってからは大分落ち着いた様だ。
おまけに龍鬼も、前の大戦で封印された挙げ句、中庭で小さな慰霊碑が立ったお陰で、恐らくその姿を見せる事はないだろう。

「しかし、何時我々には春が訪れるのやら……」
アンバー「そうだねー。君の部下も、れっきとした恋人はいる上に、血は繋がってないけど子供もいるし。」

彼らの境遇に羨望を抱きつつはぁ…と溜め息を吐く二人。特に龍皇は、普段からそんなアクションがない為、逆に不自然に見える。すると、隣のベンチに座っていたマゼンダが唐突に立ち上がったかと思うと、何やら意味深な笑みを浮かべつつ空を仰ぐ。

アンバー「お父さん…?」
マゼンダ「ちょっと、用事思い出したんで出掛けてくるよ。何、夕飯には帰る。」

いきなりお出掛け宣言をかまされ、思わず二大帝王は慌てふためく。昔は猛威を奮っていた龍王だったが、流石に病気持ちでしかも老いた身だと不安は一層募る。

龍皇「き、危険です!せめて私達がお供に」
アンバー「貴方独りだと、間違いなく人間達に勘違いされます!」
[裏設定とかEtc.]
帝王×2黄昏モード(爆)果たして二人に何時か恋人は出来るのでしょうか?
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マゼンダ「大丈夫大丈夫、お忍び≠ノは慣れてるから」
アンバー「その根拠はどこから来るの?!」
龍皇「慣れないで下さいお願いですから!!!」

あははははと笑ってごまかされた挙句、本当に一人で地球に行った上、人間たちに見つからなかったのは、さすがと言うべきかどうなのか…


.
東京某所に、歴代の怪獣――様々な理由で没した者たちの慰霊碑があった。
その一番上、最初に名を刻まれた者の名前をそっと撫でる。

『1954.11.3
    煌、燐』


マゼンダ「遅くなってごめんね―――」

感慨に耽り暫くそうしていると、背後に足音が。

「「おじいちゃん誰?」」

小さい男の子が2人、首を傾げて立っていた。
更にその後ろから青年2人がやって来た。

葵「2人共知らない人に…すみません」
サバイヴ「ちょっと待て、何かすっごいデジャブを感じるんだけどこの人…」

少し色褪せたとはいえ、金髪の宇宙怪獣に(色々な意味で)ろくな知り合いがいない。
[裏設定とかEtc.]
いい思い出がないどころかろくな思い出しかありません
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何やらたじろいでいる親らしき二人を見やると、灰色の髪でスカーフを巻いているのは初見だったが、もう一人の青い方は亡き恋人の忘れ形見だった。
あんまり自分とは似ておらず、それどころか髪は黄金とは正反対のマリンブルーに、三首がないのは誠に残念だったが、それでも良かった。今もこうして元気にやっているのがとても嬉しい。

ヘリオス「あれ、泣いちゃったよ?」
健斗「おとーさんとおじさん、お爺ちゃん泣かしちゃダメ!」
サバイヴ「あー、別に泣かしたんじゃなくてなぁ、そのー……」

しきりに葵を見つめたきり、急に泣き出した相手に此方が焦る中、何を思ったのか彼は葵を抱き締めた。

葵「うわわ、何ですかぁ?!」
マゼンダ「我が子よ…見ない間に逞しくなって……儂はもう思い残す事はないよ。」

何やら傍らで聞こえる騒音や、服を引っ張られる感覚なんて気にならない。本来は敵対関係にあるお互いだが、時には全く正反対の関係を持つ彼らがいても良いだろう。

葵「わ、我が子って…ウチの父親は東斗なんですけど」
マゼンダ「いやいや、実を話せば長くなる。良いかい、君は儂と煌さんの間で生まれた、実の子なんだ。」
[裏設定とかEtc.]
半ば詩っぽくなりました;;マゼンダ、遂に告白。
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落ち着いたところで話されたのは、半世紀、いやもう60年前になる出会い。

もし置き去りにせず連れて帰っていたら、もっと早く迎えに来ていれば、そもそも2人がもし出会わなければ、歴史は全く違ったものになっていたに違いない。

サバイヴ「そんな昔から因縁があったんだな、ウチの一族とあんたたちのトコ」
マゼンダ「東斗やレッドのような同族の大人が傍にいなければ、君が生まれた時無理してでも人間の手から奪い返したかもしれないな」

しかしもう葵は保護者が必要な年齢ではない。
そしてマゼンダ自身も、己の肉体に残された時間が僅かしかない事を知っている。

マゼンダ「今までの事を全て水に流してくれなんて言えない。
だが、何か困った事が起こった時はいつでも頼って欲しい」

葵と健斗、ヘリオスについでにサバイヴの頭まで撫で回し、優しく微笑む。
その笑顔はまるで今にも儚く消えて無くなりそうだった。

葵「貴方を父親と思う事も呼ぶ事も僕には無理です。僕にとって父は東斗お父さんだけだから。
だけど、何も出来ないかも知れないけどたまには地球に遊びに来て下さい」

母の事をもっと知りたいので―――
[裏設定とかEtc.]
次でシメですかね? 次は何にしよう…警察パロとかいかがでしょう?
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その言葉にマゼンダはにっこり笑うと、「偶に手紙出すよ」という言葉を最後に、虚空へ飛び立っていった。
その後ろ姿は、何だか力強くて、けれど晴天に溶けてしまいそうに朧気に見えた。

ヘリオス「行っちゃったね……」
健斗「何時かお手紙来るかなぁ?」
サバイヴ「大丈夫だ、近い内にバランさんが届けてくれるだろ。」
葵「………お父さん…」

今は亡き同族の父と同時に、本当に血の繋がっている敵対種族の意味合いを込めてぽつりと呟く。
けれど、事実を知った事で何だか自分の中で渦巻いていた靄が取れた気がして気分は晴れやかだった。

「さて…これから便箋でも買いに行こうか。」
サバイヴ「へぇー、珍しいな。季語とか書けるの?」

そう問われると流石に言葉が詰まったが、そこは「辞書でも引いて調べる!」の一言で受け流した。
一方で子供達も久々の買い物と聞いて目を輝かせた。

健斗「お買い物行くの!?」
葵「そうだけど、玩具は我慢してね。」

軽く諫められ、健斗はがっくしと肩を落としたが、そこはヘリオスが慰めを入れる。この焼け野原から復興した東京でもポツポツと建造物が立っている中、恐らく便箋はあるはずだ。


そして一頻り手荷物を持って行くと、4人は仲良くその一歩を踏み出した。
その光景は、まるで東斗達のいた時代を思い起こさせる様に見えたのだった――――。
[裏設定とかEtc.]
漸く終わりです。度々ながらお疲れ様でした。警察パロという事は、再び大映+円谷側も出演でしょうか?(一部悪役で)