1 蜜柑

GENERATION

親から子へ、時代は流れていく。

Gフォースはシンヤからナイトへ、守護神はモスラからサララ・セラフィへと引き継がれた。
しかし、怪獣王の一族だけは、彼等の前から姿を消した―――

そんな中、とある小さな村で、異変が起こっていた………

《怪獣紹介》
・ソウル
本家ミレゴジ。ブレイク亡き後の新怪獣王。現在は行方不明。一人称はオレ。

・サララ
本家グリーンモスラ。ウララの妹。誰にでも親切に接する事が出来る新たな守護神。一人称は私。

・トビ
本家GFWラドン。ミレゴジの親友。根っからのヤンキー。一人称はオレ。

・キコウ
本家ガメラ。しっかり者でブレイクの後輩。敵には一切容赦しない。一人称は俺。
[裏設定とかEtc.]
今回は次世代中心です。怪獣王は後ほど登場でお願いします。
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激戦から翌日……あれから邪神討伐隊一同は防衛庁に保護され、用意された仮眠室に着くや否や、その大半が深い眠りについた。
しかし、そんな中でまだ床に着いていないのが数名。件の怪獣王と、ガメラだ。

「本当に明け方此処を出るのか?」
「あぁ…色々と世話になったな」

ソウル達は帰ってきて早々に夜食を平らげてきたばかりだ。その後、彼はトビを伝えてわざわざ食堂にガメラを呼び出してきた訳だ(因みにキコウは怪我の治療中)

「おまけにサバイヴも喋れる様になったし、もう此処に用はねぇ」
「そう……しかしな、行く宛はあるか?」

「それは―――」

ソウルが言いかけたその時、突然食堂の扉が開き、そこから現れたのは本来寝てなければいけないはずのキコウとインファント一族達。因みに彼は何とかトトに支えてもらっている。

「トト!それに皆…」
「ごめんね、お姉ちゃん。キコウさんたちがどうしてもって言うから……」

そう言われ、ガメラは呆気に取られたが、流石にキコウと妹の手前追い返す訳にもいかず、軽く息を吐くと後ろに数歩下がった。

「こうやって話をするのは久々だな、ソウル」
「…まぁな。てか、何で来たんだ?」
[裏設定とかEtc.]
めっさ亀レスすみません;若干続きます...
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その質問にキコウは一間置くと、ぽつりと続けた。

「本当は色々と言いたい事があるんだが……それより、あれからハート君は見つかったか?」
「あ?いや…全然」

あの日から気配をくらまし、今も尚姿を見せない弟。彼が世界を巡っていたのはこの為でもあったのだ。
しかし、その先で逢ったのは奇しくもミニラの成長した姿でもあるサバイヴ。これから彼と共に弟を探しに行く予定だったが、何やら予定が若干狂いそうだ。

そこへ、

「ねぇソウル君、それにサバイヴ…君だっけ?トビさんから話は聞いたわ。色々辛かったのね」

サララの言葉が入り、ソウルの視線は彼女に映る。その表情は、やや切羽詰まった様が窺えた。

「……まぁな。で、何でお前らも来たんだ?寝てなきゃダメだろ」
「実は、さっきの闘いの時から気になってたの。貴男こそがソウル君だって。その後、ビルから出て屋上を見上げた時にやっと判ったのよ。あの戦い方といい、気配といい――。
ねぇ、できる事ならもう一度戻ってきてくれないかしら?」

その訴えに食堂内が静まり返った。更に続けざまにセラフィも、サバイヴに向けてジーダス討伐の時に言えなかった言葉を告げる。

「みー君、あの時は助けてくれて有難う。貴男が来てくれなかったら私達は死んでたわ」
「………ん、そうか。暫く見ない間に大きくなったな」

そう呟くと、サバイヴはソウルの肩を軽く叩き、静かに席を立った。

「お前ら――「先に怪獣島で待ってる」
[裏設定とかEtc.]
色々端折ったけれど、一足先にソウルは怪獣島に戻る様です。訂正/翌日×→その真夜中○
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キコウの阻止より先に、ソウルの一言が飛んだ。

「なるべく早く来いよ。昼までには待機しといてやる」

そう言う割には、若干赤面している。おまけに足取りがぎこちないのは決して目の錯覚ではない。

「……うん!」

食堂内に漸く明るい空気が戻る中、ガメラは微笑みながらキコウに歩み寄る。

「私達も、夜明けには家に戻ろう」
「…そうだな」

まだまだハートの安否は知り得ないが、後々新たな展開があるだろう。
その前にキコウの怪我が治るかどうかが心配だが、如何せん彼の事だ、1ヶ月もしない内に完治するだろう。

「その前に、あの祠の封を一層強化しないとな」


その頃、冥府では……朱の空全体を覆わんばかりのギャオス達を始め、地上は夥しい数の怪獣達で埋め尽くされていた。
飛行能力を持つ者は、生前の恨みからかギャオス達と戦っている者もいれば、とある方向に向かって突き進んでいる大衆までいる。その先にいるのは、少し前に奈落へ落ちてきた紅き邪神だ。

「地獄に落ちても尚、俺が憎いか」

微笑混じりに呟くと、無数に散らばる触手で容赦なく彼らを吹っ飛ばす。中には串刺しにされている者までいた。
文字通り、阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられる中、近くにある小さな洞穴の中で聞き覚えのある声がした。

「ゼオンさん、こっち!」
[裏設定とかEtc.]
ソウル達がハッピーエンドを迎える中、空気も読まずゼオン氏in地獄投下します(謎
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声のするままにゼオンがそこに入ってゆくと、イリスが触手を揺らめかせながら怪獣のミイラに跨っていた。どうやら食事が終わった所だったらしい。

「お前も地獄に来たんだな」
「えぇ…もう、ガメラさんに焼き殺された時と一緒よ」

露骨に溜め息を吐くと、今や動かないミイラをブーツの踵で蹴飛ばす。とは言っても、実質上死の存在しない地獄だけに暫くしたら復活する。
要するに、狩りの対象及び食料は腐る程あるという訳だ。それも転生するまでの話だが。

「ともかく、これからどうするの?復活するまでずっと殺し合っていかなきゃいけない様だけど…」
「さぁな。それは此方が訊きた―――」

直後、空を切り裂く音を始め、獣の咆吼が聞こえてきた。瞬く間に洞穴の一部が腐り、音を立てて崩壊してゆく。
此処にいれば、間違いなく落盤で潰されるだろう。

「な、っ何!?」
「………彼奴らか」

半ば締め出される形で外へ出れば、そこにはかつての幹部達が嬉々としてゼオン等を迎えていた。

「ゼオン様ぁ〜、会いたかったぁ〜!」
「イリスぅ、こんなカマキリ野郎放っといて一緒に遊ぼうぜぇ!」

おまけにバックにはギャオスの大群。姿形はほぼ一緒なのもさながら、目線は凄まじく殺気立っていた。ただ、その中にニーヴァがいなかったのが些か疑問だったが。

「…彼奴ら、寝返ったな」
「ん?何か言った?」
「否……それより良いのか?俺といて」
[裏設定とかEtc.]
何気に全員集合!(ジーダス達は裏切りましたが)長くなりましたが、そろそろ終わらせます;
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そう問い掛けられ、イリスは少し考えた後、照れた様に笑うとゼオンに目を向けた。

「勿論よ。だってこの先、貴男といた方が心強いから

その言葉にゼオンは面食らった様に目を見開くと、苦笑混じりに返す。

「ふ……こんな時に告白か。まぁ良い、これが終わったら気が済むまで抱いてやるよ

何回殺されるかは判らないが、無論死ぬ訳ではない。寧ろ殺されるはずはない。もし復活したその時は、倍返しにして痛めつけるつもりだ。二度と自分に刃向かえない様に。
勿論エリー達もだ。ご主人様の機嫌を損ねたらどうなるか、死して尚も思い知らせてやる。

「遅れるなよ?」
「えぇ!」


二人の邪神は、地獄一帯を覆っているギャオス達に向かって飛んでいった。


初めて抱かれた時から、貴男は私の愛しい極上の餌
同じ柩に入る事はなかったけど、こうやって逝き先も一緒ならもう怖くない。もし貴男が殺された時は、残さず食べて待っててあげる
誰かが封印を解いてくれるその日まで、何時までも地の底で永久に愛し合いましょう


ねぇ、ゼオンさん……



[裏設定とかEtc.]
何だかんだで仲の良い?にょろにょろカップル(何)そして、この度は長い間に渡り、お疲れ様でした!次回があればその時宜しくです(ペコリ)