1 バルタン星人

G×UM地球防衛大戦FINAL

地球怪獣とバルタン星人達の激闘も佳境を迎え、遂にゴジラとジンライの因縁の対決。
果たして地球の運命は・・・・
[裏設定とかEtc.]
これでどうにか終わりそうです。長かった・・・
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「そ・・それに貴女は今まで死んで埋葬されてたんですよ・・苦しいから放して・・」
「あ、そりゃ悪かったねえ。」

バードンは漸く襟首を離した。

「それじゃあ僕はこれで。」
と、チタノザウルスは立ち去った。

「さてと、残りを掘り出し「いいよ、自分で出てこれるから。」

バードンはどうにか地面から抜け出た。
そして、突然ラドンに軽くキスをした。

「!?」
「今まで頑張ってたみたいだし、それにアタシを掘り出そうとしてくれたから、そのお礼。」

突然の出来事にラドンは暫し呆然とした。

「なにボケッとしてだい、さっさと行くよ。」
「は、はい」

バードンに促され、ラドンは彼女とともに墓を後にした。

そんなことも含め、現在歓喜に満ちている周囲を見渡し、ジンライはふとつぶやいた。

「楽しそうだ。俺たちは危うく、この笑顔さえも破壊してしまいそうになった。もう少し考えれば、別の方法もあったかもしれない。」
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「そういう事だ。」

いきなり隣にジェロニモンが立った為、ジンライはびくりとしたものの、すぐさま何時もの真顔に戻る。

「他人を傷つけたり、壊したりするのは簡単だ。だが、それを治すのは莫大な時間が掛かるんだ。だからこそ、地球怪獣の私達は互いに助け合って秩序を守ってきた。人間達も、その事に気付いてくれたら───」

言いかけた直後、突然ジンライに抱き締められ、ジェロニモンは目を見開いた。

「な、何かね?」
「ジェロニモン殿、我々の兵士も、我が軍を助けていただき、誠に有難うございます。何と礼を申して良いか……」

「お、落ち着きなさい!君が学べたらそれで良い。」

柔和な笑みを浮かべるジェロニモン。そこへ、

「ジェロニモン様、此方は全員揃ってます。」

後ろを振り向くと、そこにはマンダ兄妹と、東宝怪獣一同が列を成して立っていた。
勿論ゴモラ達も一緒に。

「うむ、ところでジンライ殿、先程の戦闘でそちらの宇宙船は壊れているだろう。」
「だ…大丈夫だ。間に合って「ジンライ、こういう時は素直になった方が良いよ。」

タイニーに促され、ジンライはコンマ一秒後に顔を赤面させたのだった。
[裏設定とかEtc.]
バルタン族の宇宙船、修理へ出されました。因みにそろそろラスト……ですかね。
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それから数日後、ジンライ達は自らの犯した罪を償うために、復興作業を手がけた。流石に人員が多かったため、作業は順調にはかどった。

そして数週間、数ヶ月とたち、遂にジンライ達が地球を去る日がやってきた。

「俺達は、この宇宙怪獣達の助けを借り、新たな故郷を探すことにした。木星付近に停泊している本船に、この旨を連絡してある。」

「君達の旅が素晴らしい結末になることを、私は願っているぞ。」

ジェロニモンの激励を受けたジンライは、今度はゴジラのほうを向く。

「ゴジラ、今度また地球に来たときには、必ずお前と決着を付けてやる。」
「オレもその台詞、そのまま返してやる。」
ゴジラは笑顔で答えた。
[裏設定とかEtc.]
そろそろラストです。
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その後、彼らは全員に見送られるがまま、宇宙に旅立っていった。

因みに数分遅れて、ビオランテとスペースゴジラは金色の粒子になって怪獣墓場に帰り、ギドラ族一同代表カイザーはゴジラにこう一言。

「敵はバルタンだけではないぞ。我らも、その一つだからな。」
「忘れないでおくぜ、カイザーさんよ。」

「今回はあのゼットンとやらに引けをとったが、次はこうは行かんぞ。」
「あのー、そろそろ帰りましょ?」

デスギドラのツッコミに二人は反応したが、それでもどこか名残惜しそうに金色兄弟は虚空に飛んでいった。
その傍らで、

「ガイガン、もし良ければ何時でも地球に遊びに来てね?」
「あぁ……ゴルザにメルバ、今回はすまなかったな。」

「良いって事よ。オレの方こそ、いきなり突っかかったりして…」
「まぁ良いじゃない。ともあれ、万事解決したんだし。あたし等は宇宙に行けないけど、何時でもイースター島に来てよね。」

「あ…あぁ「ガイガン、何をしている!?行くぞ」

上司から声を掛けられ、は、と空を見上げ、ふわりと飛び上がる。

「それじゃ、元気でなー!」

ガイガンも飛び立ってゆき、残るは円谷怪獣一同となった。
[裏設定とかEtc.]
すみません、長文の為ちょっと続きます。
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「さて…オレらもそろそろジョンスン島へ帰らにゃな。」
「そーだな。でないと…ウチのピグモンが心配してるからなぁ。」

「頑張ったらお腹空いたよ〜。電気「控えろよ、ネロンガ。ンな事したらまた停電騒ぎになるぞ。」

「そーやで、さもなくばまたゴモラに吹っ飛ばされるで。」

「ラドン〜、アタシがいない間浮気は許さないからね?」
「は、はい……」

地球怪獣のやり取りの中、ジェロニモンはすっとマンダに囁きかける。

「さてマンダ、私もそろそろ……」
「解りました。少し名残惜しいですが───」

マンダの言葉が終わった途端、ジェロニモンは軽く目を閉じ、数秒間念じた後、またあの時の様に氷の繭へ閉じこもっていった。


一通り別れの挨拶が過ぎて一同を見送った時、残る東宝怪獣達は自分達のいるべき場所へ帰ってゆく。

ある者は日本へ、またある者は遠い海を渡った島へ……。

「ギドラのほかにあんな強い宇宙怪獣がいるとはな。…つくづく思い知らされたな。」
「うん…それよりお父さん、」

きゅ、と自らのズボンを引っ張るミニラを抱き締めるゴジラ。ふと、傍らを見ると、お馴染みの怪獣島メンバーが満ち足りた笑顔で立っていた。

アンギラス、ラドン、マンダ兄妹、モスラ親子、ゴロザウルス、バラゴン、エビラ、ガバラ、バラン……何れもかけがえのない愛すべき仲間達だ。

そして、アンギラスが一歩前に出てゴジラ親子に一言。

「帰ろう、兄貴とミニ坊!」
「あぁ、今行くぜ!」


荒涼とした波の音が響き渡る中、辺りを夕日が染めていった。
[裏設定とかEtc.]
これで本当にラストです。今までお疲れ様でした!