1 飛龍

女子化篇

 ギドラ族復活から数ヶ月後―――。

 ミニラ、という新たな家族が加わり、ウォーズと機龍の生活は一層賑やかに。

 が、またまた新たな事件が起きるとは予想していなかった。
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そして、数日後……大蛇は静かに幕を引く様に長を辞任し、直後にギドラは長としての激務に追われた。

その傍ら、龍鬼の元には妻を出産時に失ったものの、代わりに二人の子供ができた。

その名こそ、後々ギドラ族の中でも強さを一、二位を争う事になる龍皇、龍聖という名前だ。
しかし、妻がいないという事もあって、普段は側近の紅龍に任せ、逆にそうでない時は自分もつきっきりだったものの、その愛情は龍皇にだけ偏っていた。


そんな彼が、後々任務中に数々の宇宙人達に捕らえられて狂気に染まるのは、また別の話───。


「全員、整列ッ!」

ギドラの号令が、未だに寒さの抜けない運動場に響き渡る。

大蛇が辞任してから、一体この台詞を毎朝何度唱えた事だろうか。まずその前に起床から始まり、その後の身支度、瞑想で1日が始まる。
[裏設定とかEtc.]
了解です。ちょっと本文に独自の判断スケジュールが入りましたが、よろしいでしょうか?因みに現在クラシック聞きながら癒やされタイムです。
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 その後は訓練、他星侵略の会議などなど、とにかく忙しい。

 そんなある日、“地球”という星を訪れ、そこの生物を虐殺していた時、ギドラは一匹の恐竜に狂愛した。

“ゴジラ”という恐竜に―――。

 その後、ギドラは守護神・モスラレオによって倒され、魂を三つに分けられ、封印された。

それから数年―――長い眠りについていたギドラだが、愚かな未来人の手によって復活を果たした。

そして“愛した人物”とも再会したが、散々ボコられたため、泣く泣く故郷へ帰っていた。

 そして、故郷に帰ってみれば、見知らぬ輩が沢山いた。
[裏設定とかEtc.]
離れていても、長の威厳は保たれてます。
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その感覚は、まるで竜宮城から陸上へ帰ってきた浦島太郎の様だったと同時に、時というものはとても残酷だと思った。

ただ、唯一の救いは龍鬼が亡くなっていたという事と、出征時にあんなに小さかった双子兄弟は、不在だった長に代わって同族達を治めてきたという事。

その他にも、デスフォデスという黒いギドラ族が他惑星へ追放され、その代わりにブレイドの同族・ガイガンとデスギドラの従弟・ブラウニーが入った。

「「お帰りなさいませ、ギドラ様!」」

帰ってきた早々に、龍皇・龍聖から挨拶をされた。途端に、忽ち戸惑いは消えた。

「ご苦労だったな、お前達。…長く待たせて本当に申し訳ない。」

「いえ、大丈夫です。それにしても、よくぞご無事で……」

龍聖の言葉の後、ギドラはふ、と前を向く。

そこには今や親から世代が変わった同族達、ブレイドと負けず劣らず美しい容姿をした銀髪の青年・ガイガン、そして従兄と違って屈強な体格のブラウニー……ふと、かつての相棒の存在を思い出した。

「そういえば…ブレイドは何処だ?」
[裏設定とかEtc.]
ラストまでもう少し…ですかね?
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「ブレイドさんなら…あちらです」

龍皇が指差す方向へ目を向けると、そこには青い長髪をした美しい武士の男とかつての相棒と雰囲気が似ている青年、そして自分によく似た琥珀の髪をした青年がいた。

武士の男が穏やかな笑みを浮かべ、ギドラに声をかける。

「久しぶりだな、ギドラ。拙者の事、覚えておるか?」

声を聞いて、ギドラは驚愕した。

「……もしやお前……ブレイドか?」

「いかにも…」

「………」

あまりの変わり様にギドラは言葉を失う。そんな彼に気にせず、ブレイドは二人の青年を紹介した。

「紹介しよう。私の甥のブラッディと…お前の息子のカイザーだ」

「………なぬっ!?」

“息子”という言葉にギドラはさらに驚いた。
[裏設定とかEtc.]
眠る前に事は済ませていたギドラ様。次でラストにしたいです。
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「初めまして、父上。」
「あ…あぁ、初めまして。」

何だかこうなれば息子とはいえ、流石に固まってしまう。
そこへ、

「何も緊張する事はない。ほら、肩の力を抜け。」
「………」

これには流石に慣れるまで数時間は掛かったという。
そしてブレイドはというと、かつてジャスティスというゴジラと戦ったが負けてしまい、修行の末今の様な姿になったという。その後に孤児だったブラッディと出会し、今やカイザーの側近として彼を育てた。


その後、暫くは幸せな日が続いたものの、それらはあの忌々しい最終戦争のお陰で虚しく散っていった。


しかし───時は戻って現在、窓に目をやると、自由時間に入ったらしく、各々が中庭で寛いでいた。

まず、次期長としての貫禄が現れてきたカイザー、昔と比べて逞しくなった龍皇と龍聖、益々若い頃の相棒に似てきたブラッディ、銀髪から青い髪に変わったガイガン、相変わらず温厚かつマイペースなデスギドラ、そしてこれまた相変わらず力強いブラウニー、新たな家族の一員として加わった雄猫のカブトとメガロ……。

決してこの幸せを二度と逃したくない、と二人は思った。

「さて、何時までもこんな堅苦しい所にいないで、息抜きしようぜ!」

「あぁ……」

あの日と同じ───かつて遠い昔、息抜きのつもりで初めて地球へ出向いた時と同じ様にギドラはブレイドに手を引かれた。

晴天の中、薄紅色の花を咲かせた桜が何だか門出を祝っている様に見えた。
[裏設定とかEtc.]
長文お疲れでした!