1 飛龍

VERSUS×WARS×C.F.O

 ウォーズは名を上げるべく、人間の不良達が通う男子校『睛皇高校』の朝倉景虎とタイマンするが、色々な邪魔が入って決着はつかぬも、友情を築きあげた。

しかし、景虎達の噂を聞いた大映学園の八人衆が睛皇高校に乗り込んできたのだった!
[裏設定とかEtc.]
題名に奴らも加えました。
87
「っえ……?」

目を疑った。ゴモラの超振動波でないと打ち破れなかった鎖が呆気なく解かれた。

勿論周囲のギャラリーも、その異様な光景に呆然とするのみ。

───何だあれ……手品じゃないよな?

その傍らで超獣達も少しながら息を呑む。

「出やがったな、デウス・エクス・マキナが。」
「でうす…?何かのお菓子のらか?」

ルナチクスの問い掛けにベロクロンは“違う違う”と呟き、説明を加える。

「それはな、元々ラテン語で“機械仕掛けの神”といって、所謂今の様に絶望的な状況に陥った時、そいつが何らかの力を携えて逆転する、というヤツや。」

「それって…どんでん返しってヤツのらか?」

「まぁ、そういうこっちゃ。」

再びカカカと笑い、ベロクロンはすっと立ち上がる。

「何処行くのらか?」
「そろそろお開きが近くなった様やからな、ヤプール様に景虎サンの報告しにいかな。」

そう言って、ベロクロンは闇に溶ける様にして去って行った。


一方、不意を付かれたタイラントは即座に景虎の渾身の一撃を食らった。

「ぎぁああぁッッ!!」
「さーて、痛めつけてくれた分、きっちりお返ししてやるぜ!」
[裏設定とかEtc.]
それは…楽しみにしとります(埋)因みにタイラントは2つのモード(EXorデスボーン)に変身できますが、景虎の謎の呪文の為に塞がれました
88 飛龍
 タイラントに容赦ない攻撃を繰り出していく景虎。

「さっきの勢いはどうした!ゴラァッ!」

「うくっ!この……」

 タイラントは鉄球を振り上げるが、景虎は素早く印を宙に書き上げる。

 直後、鉄球は粉々に砕かれたのであった。

「あぁぁぁぁぁッ!俺の自慢の鉄球があ!」

「くたばりな!」

と、タイラントにとどめをさそうとしたときだった。

「待て!コイツがどうなってもいいのか!」

ゼットンの声に景虎がそちらを向く。そこには、グッタリとした銀次の髪を乱暴に掴むゼットンの姿があった。

「命が惜しくば降参しなさい!そうすれば―――」

「あ゛ぁ゛ッ?」

 ゼットンの言葉が途切れた。何故なら、景虎が殺さんばかりにコチラを睨んでいるからだ。

 思わずたじろぐゼットン。その時―――。

「…おい。俺はまだ参ってないぞ」

 銀次の声がしたと同時、ゼットンは顎を二度蹴りあげられた。

 銀次の“双龍脚”が見事決まったのだ。
[裏設定とかEtc.]
景虎、プチマジモード発動しました。そして、本編物語の進行のため、景虎達の出番は少し控えていただくようお願いします。
89
「こ…こんなバカな……!」

成す術もなく、ゼットンはどさりと崩れ落ちる。
残されたのは、タイラントただ一匹のみだ。

「そろそろフィニッシュといきますか、ウォーズ。」
「おぅ!」

「たっぷり礼は返すぜ、暴君様?」
「わいも混ぜてー!」

四人が抗う術のなくなったタイラントに向かう中、突然彼らの間を割って鳥が舞い降りてきた。

「また敵か!?次から次へと…」

景虎が悪態を吐く中、鳥は人型となり、少年の姿を成す。

「子供……?」

思わぬ乱入者に四人がたじろぐ中、少年こと第五の宇宙怪獣・ベムスターがタイラントの方を振り返る。

「…今頃何を……」
「タイラント、それに皆急いで!お巡りさんがこっち来てる!」

お巡りさん……所謂マッポだ。誰が通報したかは知らないが、とにかくマズい。
その証拠に向こうから幾つものサイレンの音が響いた後、タイラントとバルタン星人はベムスターと共に空へ連れられ、キングジョーのユニットがゼットンを運ぶ。

「勝負はまた後だ、朝倉景虎!次に会った時には必ず、地獄を見せてやる!」

タイラントの最後の恨み言がこだました。
[裏設定とかEtc.]
了解しました。そして、5人目の怪獣・ベムスター出現。一派のマスコット役で、性格は無邪気。けれど見かけによらず大食らいで、頭部の角からビームを放ちます。
90 飛龍
 それから景虎達は、銀次の親友・天道時堯が頭を張る学校、鴇都工芸高校との抗争となる。

しかし、景虎のとんでもない作戦と時堯が策士家・夜鷹俊彦とタイマンをはって勝利したことにより、この抗争は短期間で終わったのであった。


 そして、夏休み期間に入った東宝高校。

 ウォーズはたまたま商店街に会った大場祐樹と会い、景虎達の事を聞いていた。

「へー、鴇都との抗争は終わったのか」

「うん。夜鷹さんは天道さんの強さを認めて、右腕になったって聞いたよ」

「へぇー。それで景虎達は?」

「あの人と銀ちゃんは左近さんと一緒に、左近さんの友達の墓参りに行ってるよ」
[裏設定とかEtc.]
追加で…当家のポケモン達出していいですか?
91
「そう……」

タイラント騒動から数日経った後に起こった抗争。
けれど、やがては東宝もその様な運命を辿るのだろうか。


───そういえば、景虎さんが現れてから三つの高校はざわめき始めたからなぁ……。

まず我が校の東宝。夏休みに入るや否や、一部の怪獣含め、二大一派ことメカゴジラ一派とギドラ一派は各々修行に出始めた。

前者はメカゴジラの所有している訓練施設へ合宿に、後者はガイガンとメガロが退院した途端旅立ち、彼と兜を連れて、とある惑星で地獄さながらの特訓を施した。

その傍ら、大映学園はニーヴァを筆頭に、修行の為宇宙へ戻り(バルゴン、ジャイガーは故郷で修行中)、円谷学園も各々の一派が山ごもりを始める様になった。


例え皆が皆訓練場所は違っていても、思いは変わらない。


それは、“世界で唯一無二である最強の怪獣王”に君臨する事。その思いだけが全員を突き動かしていた。

「オレも、おちおちサボってられんな……」
「ウォーズさん?」

祐樹に問い掛けられ、ウォーズはは、と息を呑んだ。

「あ、いやー…周りのヤツらは勉強熱心だなぁー…って。」
「はぁ……」

笑ってごまかすも、ウォーズは心中複雑だった。
───オレも、変わらなきゃな。あのヴァーサスとやらを越える為にも。


外は殺人的な日差しが射す中、辺りを蝉しぐれがこだましている。
[裏設定とかEtc.]
すみません、それはちょっと……お控え下さい(此処はあくまで怪獣擬人か「のみ」を扱っておりますので)