1 飛龍

VERSUS×WARS×C.F.O

 
 人間離れした強さを誇る朝倉景虎に、負けまくっている暴君怪獣達。

 そんななか、夏休みに突入すると、みな修業やら何やらで留守。

 一人ウォーズは東宝最強の男・ヴァーサスに挑もうとしていた…。
83
「な……」
「隙ありぃ!!」

ギドラが気を取られた瞬間、紫闇の一閃が彼を貫いた。

「!ぎぁあぁあぁぁッッ!!」

断末魔が上がり、忽ち肩口からぱっくりと鮮血が迸る。
その修羅場の傍ら、遂に白風は紅蓮に飛び込んだ。

「にゅ!にゅうー!」

その勢いで、ちゅ、と白風の口先が紅蓮のそこに触れた。

「「あ」」

皆が息を呑んだ。その瞬間、子竜だった白風が紅蓮の腕の中で忽ち大人の姿と化した。

「あ、あのチビ助が……」
「白い竜に……」

「白風…!」

確か龍皇の家を出る際に、龍鬼から伝えられた言葉───白風が王子様だと思う者に口付けをすれば全てが終わると。

そんな中、一足遅れてギドラ一派全員と、反対側から凍毅が現れた。
[裏設定とかEtc.]
考えたら今回、イヤに龍鬼が優しい気がする....
84 飛龍
「これは…」

「一体何があったの…?」

「って!ギドラ様、血ぃ流してるー!」

「救急車ぁー!」

周りがバタバタする一方、白風は紅蓮に言った。

「…紅蓮」

「ん?なんだ…」

「ありがとう」

白風は礼を言うと、紅蓮にもう一度口付けをした。

直後、紅蓮の炎の翼がかなり燃え上がったのは言うまでもない。


 その後、雷属性の雷伝も見つかり、竜人達は自分達の世界へと帰っていった。

 また会うことを願って―――。
[裏設定とかEtc.]
一旦、不良学校篇中断してもいいですか?ウォーズ達と白風達が互いの世界を行ったり来たりする話がやりたいので…。
85
その数日後───夏休みは半ば終わりを迎えようとしていた。
因みに本日は夏祭りの日。辺りに輝く提灯が綺麗だ。

「すっかり寒蝉が鳴く季節になったね。」
「あぁ……しかし」

あれからギドラは暫くの間入院(見舞いはカイザーとデス)、おまけに兄は夏風邪が完治した途端、兜+ブレイドに教えられつつ夏休みの宿題を、龍聖・龍皇は竜人に関して自習中、ブラウニーはガイガン達の付き添いだ。

なので、ギドラ一派の中で祭りに来ているのは三人という訳だ。

「それにしても、色々変わったね…この街も……」
「確かにな。先ずあのゴジラの乱入に、次は景虎……最近はあの竜人だな。」

考えてみたら、ウォーズが来てから此処は変わりつつあった。
思えば、今までの不良生活がまるで夢だった様な気がする。

そんな中、遂に花火が上がった。名前の通り、漆黒の夜空に咲くそれは夏の風物詩だ。

「ガイガン……」
「ん?」

「大好きだよ……」


二人が口づけを交わす中、成り行きをこっそり見ていたウォーズは……仲間を引き連れて夜店を探索していた。
[裏設定とかEtc.]
誠にお待たせしました;連日のストレスでサボタ(埋)また、サイト開設ご苦労様です
86 飛龍
「やれやれ…。相変わらずだな、あいつらは」

そう言うウォーズは、タコ焼きやら色々な物を食べていた。

「やれやれ…。こんなんで、俺は一年の覇者になれるかな」

そう思いながら、歩いていると目の前からヴァーサスが歩いてきた。

「…あ」

「おう」

対峙する二人。ウォーズはタコ焼きをアンギラスに渡すと、ヴァーサスを見据えた。

「俺、あんたに負けねぇから」

「ああ。楽しみにしてるぜ」

フッと笑みを浮かべ、ヴァーサスはウォーズの横を通りすぎた。

ウォーズも笑みを浮かべたのであった。
[裏設定とかEtc.]
次でラストお願いします。
87
───とりあえず、今は彼奴に追い付かなきゃ…。

思い起こせば、本当に色々あった。
中でも印象深かったのは、人間なのに怪獣達と対等に戦える景虎達と、ブルトンの起こした竜人達の出現だ。恐らくこれらの事件は、怪獣人生の中でトップを争う出来事となるだろう。

そんな中、アンギラスに袖を引っ張られた。

「兄貴、兄貴。」
「何だよ?トイレかよ。」

とはいっても、彼の表情はどこか切羽詰まっている。更に、アンギラスは一言。

「余り訊きたくはないんやが……宿題終わりましたんか?」

ぴし、とウォーズの足元で何かが崩れる音がしたと同時、脳天に衝撃が走った。

そんな事、すっかり忘れてた………。

「だぁあ〜、アンギラス、こんな時に嫌な事思い出させやがって!つーワケで、宿題頼む!」
「な…え、えぇ?!」

二人がギャンギャン言い合う中、花火はひたすら辺りを彩りに染めていた。


そして彼らは知らない。
今からルナチクスの予言が当たる事も知らずに……。
[裏設定とかEtc.]
一応、ラスト…ですかね?いい加減ですみません;