1 蜜柑

地球危機一髪!!

様々な脅威から地球を護るGフォースの機械怪獣達!
そんな彼等に今日もまた、宇宙からの脅威が迫る――!

《本家機械組紹介》
・シンヤ(メカゴジラ)
ゴジラのストーカーその2。優秀な功績で隊長に昇格したが、ストーカー行為のために職務放棄をすることもしばしば。一人称は私。

・ナイト(機龍)
シンヤの息子。父親と違って真面目で自分に妥協を許さない。主な仕事は巨大生物撃退と逃走を計る父の捕獲。一人称は僕。

・ガブラ(モゲラ)
シンヤの部下。隊長のサボり癖のせいで多忙な日々を送る。苦労仲間のグレイとは親友。一人称はオレ。
[裏設定とかEtc.]
前回はお疲れ様でした。今回は前回ほとんど出番がなかった機械組メインです。
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都内・防衛庁の中庭にて、龍闇の絶叫が上がった。というのも、ソウルに無理やり押し付けられたハートの面倒を見てゆく内、何を思ったか彼は龍闇の頬を引っ張ったからだ。

「頑張れよ〜、大福ぅ」
「だ、誰が大福…イデデデ!」

因みに先程ブラウニーがハートをあやそうとしたものの、彼の中に潜む邪悪なオーラに泣き出してしまい、反射的に龍闇に任せたという訳だ。
それが今、このザマだ。

「あはは、お餅お餅ぃ〜♪」
「びゃー!ほまへ、あふぉでもやひてやふ!(お前、後で燃やしてやる)」
「子供相手に燃やしてやるだって。大人気ないなぁ」

最後の一言にムッとなった龍闇は、振り向き様にブラウニーを攻撃を仕掛けようとしたその時、漸く本部からの取調が終わったゴジラ達(with守護神二名付き)が此方に向かってきていた。

「あ、蜥蜴野郎」
「誰が蜥蜴野郎だ、泥人形。つうか何やってんだ?子供相手に情けない」

怪獣王にまでギドラ族の脅威だった彼とは思えない有り様を突っ込まれるも、何とかこらえつつ振り返る。

「ひ、ひーから、この子…頼みまふ……」
[裏設定とかEtc.]
龍闇をイジってしまいました(滝汗)因みにブラウニーの泥人形という意味は、元々彼はマグマ不定形だからです。
55 蜜柑
よく見れば龍闇の頬は引っ張られ過ぎて赤くなっていた。それと心なしか、涙目になってるようにも見える。

「おぉ、ありがとう」
「パパァーっ!」

腕を目一杯拡げて、ぽてぽてと走ってくる幼い息子を迎えて抱き上げる。

「おそいよ、もぉー!」
「ははっ、悪い悪い」

謝罪も込めて力一杯抱きしめれば、ハートも嬉しそうにブレイクにギュッとしがみついた。

一方でほのぼの親子像、しかしその一方では長男VS死神が一発触発しそうになっていた。

「ソウル君、おかげさまで頬が取れるとこだったんだけど?」
「うるせぇイレズミ。ウチがてめぇから被った迷惑に比べりゃあ、安いもんだろーが」

そう言ってソウルは、治療費だの何だの書かれた請求書をピラピラさせた。

それを見て龍闇の顔は青ざめていく。また、その様子を見てブラウニーが笑っている事は、言うまでもない。
[裏設定とかEtc.]
そちらもお疲れ様です。ソウル、口の悪さはゴジラ族No.1。請求書→前回の戦いで掛かった治療費が、とんでもなく高かった模様;
56 蜜柑
「あ、いたいた!ブレイクさん!」
「ん?」

不意に呼ばれた名前、振り向くと、そこには街から帰ってきた機械組とギドラ族がいた。ただしシンヤが氷漬けだったり、龍妃の頭にタンコブが拵えてあったり、モゲラが包帯ぐるぐるなのは、決して気のせいではない。

「この度はこの馬鹿親父がとんだご迷惑をおかけしまた、本当にすみません。ほら、父さんも謝って!」
「ゴ、ゴメンナサイ…」

氷漬けのせいか、若干カタコトになってる気がする。
傍らでは、龍鳳が龍妃に話し掛けていた。

「ほら、お前も」
「……すまなかったな、ゴジラ」
「お、おう…」

予想と違って素直に謝罪され、ブレイクは若干動揺したが、それでも普通に返事を返した。

「機龍、俺らはこれで帰るわ。ミニラも腹減ってるだろうし」
「分かりました、気をつけて」

レッド一家も含め怪獣王一族が部屋を出ようとした時、ふとハートは龍闇の方を振り向いた。

「おにーちゃん、きょうはありがとう!またあそぼーね!」

小さな手でバイバイするハートに、龍闇は苦笑しつつ静かに手を振り返した。
[裏設定とかEtc.]
龍闇、何だかんだで子供好き。そろそろラストです。
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「また遊ぼーね…か。お餅ごっこ頑張れよー」
「…………(怒)」

すっかり業を煮やした龍闇の手がブラウニーの腕に回り、思いっきりつねり上げる。

「あだだだただ!」
「フン!」

ひとしきり痛みを与えた所で漸く手を離し、先程ソウルから渡された請求書を見てため息を吐く。

「給料…またさっ引かれるだろうなぁ……」

いっそのこと請求書を灰に……としたい所だが、払わないと本当に此方が灰にされる。ついでに愛用のデスサイズまで売り払われるかも知れない。
そんな中、龍皇がゴジラ一族達に向かって一言。

「ともあれ、この度は我が一族が迷惑を掛けた。これからは龍妃殿に暫くの監視を付けておく」
「判った。お宅等も、余り騒ぎ起こすなよな」
「本当にすまなかった。では」

と、龍皇を筆頭に各々原型に戻ったかと思うと、自分達の本部に向かって飛び去ってゆく。赤々とした夕陽の中で彼らのシルエットは、正に溶け込みそうだ。

「さて、俺等もこれで……」
「あぁ、養生しろよ」

と、ゴジラ一族が部屋を出ようとしたその時、突如強風が吹いた。
[裏設定とかEtc.]
この度は仮免合格並びに、サイト一周年目おめでとうございます!
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「う……!」
「いた!目にゴミ入った…」
「大丈夫か?ミニラ」

息子達が突然の強風に戸惑う中、レッドとブレイクは吹いてきた方向を睨みつける。

「なぁ、今の…」
「あの爺か?」

龍鬼はこないだの事件で封印した筈。しかし、彼とは違う何かがもうすぐ目覚めようとしている。

「こりゃ、防衛庁に連絡しとかないと―――」

と、ブレイクが踵を返そうとした途端、内部から聞き覚えのある地獄の旋律ならぬ泣き声が聞こえてきた。

「ゴジラぁあぁ!!せめて君の手で私を抱き締めてぇえー!サムイー!!」
「ハイハイ、彼はいませんから代わりに俺が暖めてあげましょうねぇ

直後、ナイトとガブラの「宜しくお願いします」に続き、シンヤの断末魔が聞こえてきた為、すぐさま彼らはその場から逃げ出してきた。

「ま、彼奴も少しは懲りるだろ」
「…だな」

最初はシンヤの絶叫で始まり、最後もまた彼の断末魔+αで終わったものの、今回の騒動は夕陽が沈んだと同時に収まったのだった―――。



[裏設定とかEtc.]
締めくくりがgdgdになりましたが、これにて終了です。次回もまた宜しくです。……その前に、モスラ3verギドラのキャラ統一しとかんと;(ぁ