徳川家康
三成、驚きはしないか?
お前と出逢い、絆を結わえたあの日から……気が付けば、既に六の年が過ぎたのだ。骨を抜かれていると言うのなら、ワシの方が余程お前に骨抜きにされている。髄の末まで、手遅れだ。
……、笑うなよ?本当なんだ。

綿の抜けた顔をするなと、そう言いながらワシの腕の中から抜け出す気配のないお前の明け透けな信頼が面映ゆい。
二度と、手放せるはずなどない。

唯一無二の絆が弛まぬよう、これから先も精進しよう!
石田三成
明日で、貴様と知り合って五年となるのか…不確かな世界の中で縁を得、現で出逢えたは幸だ。
日毎、年毎新たな色を描き出す貴様に、すっかりと骨を抜かれた心地だが…今はこれも悪くないと、そう思えている。
明日は貴様に出逢った忘れられぬ日だ。
共に過ごせることを歓び、まだ貴様と共行けることを心から感謝しよう。
この場を借り、思いを落ち着けた後に貴様に直接伝えるとするか。
幾年経ようとも、愛している。
片倉小十郎
城廓を離れ早柒日。
地を彩る銀化粧何ぞ、彼の國で随分と視馴れたもんだが…如何せん。
而して御無沙汰な筆を奔らせる程には情淋しと、鬼戀しと、憶っているのだろうよ。
我が主人の詞を拝借する為らば…あー…ほうむ、しっく?だったか。

オイオイ似合わねェらしくねェ。
と、咽喉鳴らしてからから破顔う御前さんが脳裏を過った。煩え莫迦野郎。
旭日昇天の後、陽が没した頃合にゃ帰省とする。
頸やら何やら確と洗って待っていやがれ。

俺の土産噺は兎にも角にも、だ。
…ほう。何かと怱々にして騒々しいときた。
此れはあれか、鬼の居ぬ間に何とやら…っと違え、其奴は既に役揃い。
讃嘆を憶えるぜ、御伽草子に引っ張り蛸な俺の姫さんよ。
だがな。生憎以て桃だろうが壱寸だろうが、くれて遣る気は更々無え。

――扨、馴れねえ事をするもんじゃねえな。
硯の底も乾いた処で、宛も無え我利羅列の情を此処に。

らしくねえ序でだ、最愛。
望むらくは、早に、御前さんを擁してえ。
「只今」の折には如何か叶えてくれ。
島左近
流れるような筆運び、幅広い言葉の引き出し、かといって頭の悪い俺がついていけねー程堅苦しくもなく、なのにあんたの頭脳の片鱗を俺に魅せつける……やっぱあんたは誰よりも最高っすよ!
なんか取り柄がある訳でもなきゃ進化もできねー俺ですけど、あんたに捧げるこの愛だけは、あんたにも負けませんって、胸張って言えるんっすからね。

今年も、あんたが隣にいてよかった。
俺の大事な人、これからも傍にいて下さいね。