哀切

過去ログ113 2018/5/25 20:52

◆島左近
どうしてこんなに忘れられないんだろう…もう二度と話すことは出来ないって、分かってるのに。あんたは俺に色々教えてくれたけど、あんたと離れてから…感情も、物事も、ひとりじゃ片付けられないことが多過ぎて、…これはどうしたらいいんすかね…
どうしたら、あんたの負担にならずに済んだんだろう。どうしたらあんたを怒らせたり失望させたりせずに…一緒にいることが出来たんだろう
答えを探っている筈なのに、考えれば考える程…一緒に過ごした時間を追ってしまって…あんたの顔とか、言葉とか、色々思い出しちゃって。そうなるともう…気持ちが一杯になって、どうしようもなくなる。
思い出にしないといけないのに…こんなに女々しかったんだな俺
溶けて眠りたい

◆長曾我部元親
――別箱に隠してた文を、数年越しに手にした。テメエで隠しといて必死で探しても見付けられないあたりが、詰めの甘い俺らしい……なんざ、笑ってくれるアンタはもう居ねえ。

なァ、政宗よう。息災に…いや、幸せかよ、アンタは。

時の流れってのは恐ろしいモンで、手を離してから陸年も経っちまったな。共に歩んだ弐年弱、一部じゃあるがそれでも軽く千を超える文にアンタを思い出した…と、見栄を張りてえ処だが今日は止めとくぜ。竜の住処も知らねえってのに、地が揺れれば心配になる。闇が陽に打ち勝つ様を見りゃアンタが好きな刻だったなと思い出し、毎年七夕になりゃ今年は泣いて過ごしちゃ居ねえかと余計な世話を焼いちまう。女々しい程に、まだまだアンタが此処に居座ってやがる。

奇跡的に取り戻した文を読み返して、改めてアンタを愛してた事を誇りに思った。届けるにはちィと季節が巡り過ぎた想いだ。俺も手を離すのと同時にこの世界を離れた、きっとアンタも此処には居ねえだろう。


今でもアンタを愛してる、嘘吐き鬼でごめんな――奇跡に乗じて、許せよ政宗。

◆石田三成
貴様を理解し、受け入れようと努めたならば、何時かは私の言葉が届くのではないかと、夢を見ていた。
少しは私を理解しようとしてくれるのではないのかと。
それが私の思う恋情だった。

貴様は、都合の良い存在を惜しんでいるだけだ。
私ではない、ただ何もかもを許容し受け入れる、そうした者を惜しんでいる。

◆竹中半兵衛
この感覚は知っているよ。終焉が近いんだろう。
嗚呼…僕は結局、独りで居る時よりも想う人が居る方が辛いだなんて、わかっていたのに、どうして…