哀切

過去ログ77 2012/7/25 0:45

◆猿飛佐助
もう随分と経っちまったねえ。あんたの手を離して。
直ぐに思い出に変わると思ったのに、あんたは何時までも居座るんだ。迷惑な話でしょ。
此の身を滅ぼして、生まれ変わって、あれから恋人だって出来た。でも直ぐに別れちまって。気付いちまったんだよ。優しい其のおひとに、俺はあんたの面影を見てるってさ。最低だ。最低なのに、馬鹿みたいに口約束を守ってる。
…本当に、俺は生涯あんたを愛しちまうんだろうか。
もう殆ど覚えちゃいない。貰ったものも、行った場所も。唯、紅と金が目に焼き付いて。嗚呼、気持ち悪いね。きっと。
あんたは未だ若いから、きっと、もっと、沢山の恋を知れる。其れが悔しい。いっそ、俺があんたの傷になってりゃ良いと思う。
嫌い。忘れたい。愛したくない。嘘。
…格好悪。ま、亡霊の戯言だし、何言うのも勝手でしょ。幽霊が怖いなんて泣くなよ、お馬鹿さん。

◆石田三成
私は貴方様の言葉を信じて居なかった訳では有りません、只…私が他者に必要とされて居ると容易に考えられないのです。優しくされればされる程に、貴方が消えてしまう事に恐怖していた。


此れ以上貴方に拒否される事が怖かった…、 故に消えてしまえばひと月前の私に戻るだけだと言い聞かせた。平静になれば貴方程、私の事を考えて下さる方はいらっしゃらなかったのに…。


戻りたい等と云うのは身勝手でしょう、せめてもう一度お会いしたい…。

◆猿飛佐助
旦那とのお別れから5日…まだ5日…もう、5日…。元気にしてる?新しい人、見つかった?…自分からお別れしたのに…旦那の手が恋しいなんて…許される訳ないのにね。

◆真田幸村
貴殿に文を飛ばそうとしてしまった…