彩 愛 美
朏(みかづき)
言葉を失くして 還る術も無い
月色の兎達が 月を眺めている
朱い目の奥で 何を想うのかな
まだ円に満るには 遥かな日々
朧な桜は 碧い葉に深く沈んで
散り去った罪の 傷口を隠して
何を視て跳ねる 何を視て嘆く
過ぎ去った日々は 戻らぬのに
泪も尽きたら 諦めも搗くさと
月色の手紙に 想い鏤めてみる
去り行く想いに 後ろ髪魅かれ
満たされぬ朏に 届かぬままに
目の奥に描く 故郷は遠く霞み
忘れ行く罰に 痛む胸も和らぎ
過去より未来 選んだこの地で
生きて行く覚悟を 決めたなら
基より離れた あの日から想う
二度とは戻らぬと 誓えばこそ
世代を重ねて ここしか知らぬ
新しい子供達に 明日を委ねて
何を視て跳ねる 何を視て嘆く
過ぎ去った日々に 想い馳せて
言葉を失くして 還る術も無い
月色の兎達が 月を眺めている
朱い目の奥で 何を想うのかな
まだ円に満るには 遥かな日々
朧な桜は 碧い葉に深く沈んで
散り去った罪の 傷口を隠して
何を視て跳ねる 何を視て嘆く
過ぎ去った日々は 戻らぬのに
泪も尽きたら 諦めも搗くさと
月色の手紙に 想い鏤めてみる
去り行く想いに 後ろ髪魅かれ
満たされぬ朏に 届かぬままに
目の奥に描く 故郷は遠く霞み
忘れ行く罰に 痛む胸も和らぎ
過去より未来 選んだこの地で
生きて行く覚悟を 決めたなら
基より離れた あの日から想う
二度とは戻らぬと 誓えばこそ
世代を重ねて ここしか知らぬ
新しい子供達に 明日を委ねて
何を視て跳ねる 何を視て嘆く
過ぎ去った日々に 想い馳せて
彩 愛 美
朝が来る(即興詩)
白み行く
夜の輪郭線が
朝を運んで来て
昨日と今日の境目を
切り離す頃には
昨夜まで
何を悩んでいたのか
解らなくなる
閉塞して行く
世界の終わりも
次の世界への
入口に過ぎないと
何故気付かずに
嘆きの声を
挙げたのだろう
何れ程に大きい
苦悩の数々さえ
起承転結する四季の
膨大な歳月を重ねた
大変動の前では
ほんの些細な
戯れ言に過ぎないと
想い知らされるだけ
雨でも雪でも
晴れでも嵐でも
必ず朝は来る
それが
たった一つの
真実だった
白み行く
夜の輪郭線が
朝を運んで来て
昨日と今日の境目を
切り離す頃には
昨夜まで
何を悩んでいたのか
解らなくなる
閉塞して行く
世界の終わりも
次の世界への
入口に過ぎないと
何故気付かずに
嘆きの声を
挙げたのだろう
何れ程に大きい
苦悩の数々さえ
起承転結する四季の
膨大な歳月を重ねた
大変動の前では
ほんの些細な
戯れ言に過ぎないと
想い知らされるだけ
雨でも雪でも
晴れでも嵐でも
必ず朝は来る
それが
たった一つの
真実だった
彩 愛 美
新 生 活
桜行く春の候、
散り行く花に、
追われるよう、
始まる新生活。
何一つとして、
変わる物など、
見当たらない、
何時も通りの、
何時もの街が、
違う街に成る。
起床時間から、
目的地までの、
人の流れとか、
空気や色まで、
まるで知らぬ、
別世界の中へ、
迷い込んだと、
想えるほどに。
緊張感に沈む、
新人時代心情、
暗中模索の道、
光を求め歩く、
夢から希望に、
繋がる一本道、
新生活の一歩。
ようやく歩く、
自分史を編む、
誰の為で無く、
自分の為にと、
自ら決意して、
始める新生活。
桜行く春の候、
散り行く花に、
追われるよう、
始まる新生活。
何一つとして、
変わる物など、
見当たらない、
何時も通りの、
何時もの街が、
違う街に成る。
起床時間から、
目的地までの、
人の流れとか、
空気や色まで、
まるで知らぬ、
別世界の中へ、
迷い込んだと、
想えるほどに。
緊張感に沈む、
新人時代心情、
暗中模索の道、
光を求め歩く、
夢から希望に、
繋がる一本道、
新生活の一歩。
ようやく歩く、
自分史を編む、
誰の為で無く、
自分の為にと、
自ら決意して、
始める新生活。
彩 愛 美
風 の 声
過去と未来の真ん中に 腰掛けて
これからの事を 語り合った
友との別れと 新たな出逢いと
それぞれの違う 道を歩こう
今しか出来ない事しか 今は出来ない
今の内に出来る事を やっておこう
もう直ぐ新しい 季節が訪れて
長い冬の眠りから 目覚めるのだろう
新しい風の声に 背中を押されるように
次の舞台の扉を 開けて前へ進もう
春とは何とも 歯痒い季節で
暁に揺らぐ 眠りの小部屋
心地良さを振り切って 外の世界へと
飛び出して新しい 道を歩こう
今まで暖めて来た 可能性の卵
今のままでは孵化する事無く 終わるから
ほら風の声が 聴こえたら
長い冬の眠りに さよならを告げて
新しく生まれて来る 明日の自分のために
恐れも不安も棄てて 歩き出そう
風は何時でも 優しいだけじゃなくて
時には全てを吹き飛ばす 事もあるけれど
今吹く風を 信じられるのなら
重い冬の上着を脱いで 前を向いて
風の声と共に行く まだ見えない明日へと
夢の卵を抱いて 歩き始めよう
過去と未来の真ん中に 腰掛けて
これからの事を 語り合った
友との別れと 新たな出逢いと
それぞれの違う 道を歩こう
今しか出来ない事しか 今は出来ない
今の内に出来る事を やっておこう
もう直ぐ新しい 季節が訪れて
長い冬の眠りから 目覚めるのだろう
新しい風の声に 背中を押されるように
次の舞台の扉を 開けて前へ進もう
春とは何とも 歯痒い季節で
暁に揺らぐ 眠りの小部屋
心地良さを振り切って 外の世界へと
飛び出して新しい 道を歩こう
今まで暖めて来た 可能性の卵
今のままでは孵化する事無く 終わるから
ほら風の声が 聴こえたら
長い冬の眠りに さよならを告げて
新しく生まれて来る 明日の自分のために
恐れも不安も棄てて 歩き出そう
風は何時でも 優しいだけじゃなくて
時には全てを吹き飛ばす 事もあるけれど
今吹く風を 信じられるのなら
重い冬の上着を脱いで 前を向いて
風の声と共に行く まだ見えない明日へと
夢の卵を抱いて 歩き始めよう