彩 愛 美
Limit Break

あの頃の僕達と言えば 何に対してでも
挑戦的で 何時も前向きだった
例え昨日は 出来なかった事だって
今日は出来ると 信じていた

ここまでだなんて 自分達の限界を
決め付けられる事が 嫌だった

周りのみんなと 競い合う事が
限界を飛び越える 力になった
誰よりも早く 一番になる事を
僕達は何時も 考えていた


勉強なんて本当は 嫌いだったけど
簡単に敗けを 認めたくなかった
何時か知らずに 面白くなっていた
あんなに嫌だと 想えていたのにね

コツさえ掴めば 何でも出来るんだと
積み上げられる 自信の数々

知らない間に 身に付いた力
自分でも 驚く程の進化に
少しだけ強くなれたと 嬉しくなる
また一つ壁を 乗り越えていた


やるとかやらないとかって 本人の自由だけど
やらなければそこから 動けないだけのお話し


あの頃の僕達のように 何も恐れずに
直線的に 突き進みたいけれど
何時からか心に ブレーキを掛けて
目の前の壁に怯えて 逃げていた

彩 愛 美
会議は廻らない

会議は疲れる
話題を振って
意見するのは
何時も通りの
決まった少数
同じ人ばかり

反対意見だけ
唱え続けても
自分の意見を
持たない面々

スマホ片手に
話も聴かない
この時こそと
仮眠する人や
皆好き勝手で
纏まりが無い

会議は辛くて
一つ何かをと
決める想いが
感じ取れずに
ヤジを飛ばし
憂さ晴らしに
場を掻き廻す

気に入らぬと
中座欠席して
決議妨害して
子供みたいな
駄々を捏ねて
進行を妨げる
本当に会議は
廻らずに大変

彩 愛 美
愛は戦わない

夏が来るまで 待ち切れずバッサリと
切った髪が 痛々しいねぇと
心にも無い言葉で 声を掛けて来る
ライバルから外れたと 気を許して

ピリピリした緊張感の中で 少しでも
自分の方が優れていると 主張し合っている

そんなの私には 関係無いわ
勝手に足の引っ張り合いでも 何でもしてよ
参戦した覚えなんて 無いから


最近少し痩せたんじゃないのと
嫉妬混じりに 視線を投げ掛ける
そんな事無いわよって 身を反らし逃げる
うんざりする駆け引きの 繰り返し

悪口陰口 根も葉も無い噂を流しても
悪意一つも当然のように 顔色も変えないで

下らない争いに 巻き込まないで
恋する想いを 汚したりしないでいてよ
人の都合で 恋する訳じゃない


水面下で繰り広げられる 何でもありの手口
もう少しまともな 愛し方の一つも
出来ないものかと 想い悩む夏前


一時の感情で 奪い合うのが
愛じゃなくて 分かち合うものと気付いてよ
愛も濡らす雨 穏やかなままに
彩 愛 美
ワズラワシイ
時々
ふとした事で
人間関係が
ワズラワシイと
想えたりもする

ついつい
優しくしてくれる
SNSの世界へと
逃げ込んで
自己満足に
浸ってしまう

家族間
友人間
恋人間
社会間
複雑に絡まる
人と人との繋がり
人と合わせる事の
難しさに疲れ果て
ワズラワシイって
閉じ籠ってしまう

それでも
やっぱり淋しくて
一人になる事が
本当は恐いのに
何処かで自分に
ブレーキを掛け
守りたくなった
想い通りなんて
数える程も無い
このワズラワシイ
時間がタマラナイ

彩 愛 美
It's My Music

3週連続 ヒットチャートの
トップを飾る曲なんて 関係無い
誰かが決めた価値観に 左右されて
自分のお気に入りだと 勘違いしたりしない

何処にでもあるような ありふれた曲
だけど今の私に 一番似合うリズム

その時その場面で 流れて来るBGM
それは誰の物でもない 私だけのメロディー
私が私であるための 音楽


生きて来たプロセスや フィールドは
今の自分を形成する エッセンス
何一つ欠けても 今に成れなかった
そこには何時も自分だけの 音楽があった

誰からも強制されたりはしない
素顔に戻る時に 自然にある音楽

誰かに遠慮して 聴けなかった曲だって
今は自由に選んで 好きなだけ流している
心を解放して 気持ちを緩めて


私の周りの空気感で 毎日毎日を
着替えるように 今日のテーマを決めて選曲


時にはランダムに 機械任せに流してみる
懐かしさも新鮮に感じて 聴こえて来る
想いのままに流れて行く 音楽