彩 愛 美
わたしことば

誰にも真似出来ないわたしだけの 気持ちとことばがある
それをちゃんと全て 伝えられているのかまでは
わたしにも 解らない事だけど

面と向かって正直な気持ちを 上手く話せない
何時も肝心な部分を 自分のことばに出来ない

でもこうして歌にして メロディーに乗せたら
ことばが自然に流れて 気持ちを伝えられる
今までもどかしくて 諦めていた本当の気持ち
今初めて ちゃんと伝えられた


人と向かい合う事がとても怖く 勇気の無さに負けて
途切れ途切れで 伝えられなかったことばの数々が
何時しかわたしを 無口に変えた

人に合わせて同じように 生きていればそれでいい
そんな風にただ流されて 自分のことばが失くなった

今こうして歌として メロディーが生まれた
ことばがわたしに戻って 気持ちも帰って来た
今まで話せなくて 諦めていた想いの全て
伝えられるんだわと 解ったから


小さな切っ掛け 人と人との出逢い
たまたま見付けられた わたしの意思表現方法


替え歌でも何でも メロディーに替えたら
はなしことばよりも上手に 気持ちを届けられる
今まで閉ざしたまま 諦めていたわたしの想い
ことばとはこうして 伝えられる

彩 愛 美
救 う

救いたいけれど
救えないこと
救われたいけれど
救われないこと

救いたいと想っていても
救ってあげられないこと
だから何もしないこと

救われたいと想っていても
救いようの無いこと
まるで問題外なこと

人の数だけ
様々な事情があって
出来ること出来ないことが
仕方無いけれど多々ある

やれるから やるのか
やれるのに やらないのか
やれないのに やろうとするのか
やれないから やっぱりやらないのか
百人百色の 人間模様

テレビや新聞が伝える
世界の最新情報
正しくても 間違っていても
確かに何かを感じている
時間の経過は速過ぎて
何処の誰に どう救いの手を
差し伸ばせばいいのか
直ぐに見失ってしまう

その場限りのことならば
誰かを救えるのかも知れない

彩 愛 美
酷 雨

糠るんだ別れの場面を 笑うかのようにして
砂状の雨が無情に 降り募る
泣く事も許さない 雨のスクリーン
涙の証拠も 残せない程に

泣きたい気分なのか 笑いたい気分なのか
仕舞いにはどちらなのかも 解らなくなる

今の私にはもうこれで 十分だわ
最後にあなたの笑顔を 見られて良かった
そんな気持ちも記憶も 全てきれいに
残酷な雨が 流して行く


脱け出せない別れの迷路に 追い込むかのようにして
非情の雨が頭上に 降り注ぐ
進む事も退く事も どちらも同じく
濡れる覚悟を強いる 世界は雨

降りたいバスだって 乗りたい電車だって
最後の決断を下す のは私だって

既に切れた糸 例え今繋がったとしても
また何時か直ぐに 切れて解けてしまうから
一時凌ぎの打開策なんて 無駄だと
冷酷な雨が 笑い飛ばす


cry for nightrain もう声も届かない
月よりも太陽よりも ずっとずっと遠い距離の
運命だって宿命だって もうそれを変えられない彼方へ


何をどうすれば 答えが見付かるのだろう
どの選択肢も 同じ結果論なんだと
意味の無い答え探しの 空しさを
辛酷な雨が 映して行く

彩 愛 美
迷 惑

生まれた時から
死を迎えるまで
多分死んだ後も
迷惑を掛け続ける
きっと全ての人が

他の動物のように
何時かは独立して
たったの一個体で
生きて行けないで
誰かの力を借りて
多かれ少なかれの
迷惑を掛けてたり
掛けられたりして
生きて行くだろう

お互いそうやって
弱味を見せ合って
友情や信頼関係を
深めて行くだろう

上下関係じゃなく
似た者同士って事
お互い様と共感し
迷惑を迷惑だって
想えなくなる事で
人はようやく人に
なれるのだろうね

一人で生きる事が
出来ないのは多分
迷惑もまた必要な
愛情表現なんだと
何処かでぼんやり
感じ始めたから…

彩 愛 美
花 山 葵

草霞に紛れる 香りのような
朝の清しさに 生まれ育ち
木漏れる時の 目映さに
今か今かと 胸弾む

流れのままに 身を任せる
汚れを知らない 水調べ

あなたを想えば 花に成る
重ねた想いを 認めて
芳しき春の 風模様
映していたいと 想うもの


転ばぬように 歩いて来た
今更聴けない 人の胸
想いはそれでも 通じ合う
澄み渡る 空と水のように

変わり行くのが 世の常だとて
変わらない愛の 糸紡ぎ

辛きを語るを 善しとせず
人には笑顔を 絶やさずに
言うは易く 生きるは難し
それでも花で 在りたいと


手を差し伸べるは 人の縁
辛さを解って いればこそ


手と手を合わせる 影法師
想いの全ては 花に成る
涙を堪えて 来たけれど
今日は泣くのも いいだろう
今日はそれも いいだろう