竹中半兵衛
さよなら、と。
此の一言を告げるのに、どれだけの勇気を要するのだろうね。
僕はずっと子供の侭だ。其れでも良いとさえ思っている。
空がとても近く思えるよ。地が遠く離れていく。接した面に余計な空気が入り込むようだ。なんて哀しい。
僕は本当に馬鹿だよ。
大谷吉継
この姿も、この世も…これで終いよ。
ぬしの存在なくば、われにとって食物も砂も変わりない…味気無いものとなりやった。
すべて己の言動が招いたこと…せめて最期は、ぬしの幸せを願うて幕引きとしやるか。
ぬしの傍に、想う相手がおるように…どうか楽しい時を過ごしてくれやれ。
最期に、われの…心からの願いよ。
名をこの口で紡ぐ事すら罪深いか…愛しておる、達者でなァ…__。
長曾我部元親
そういや、彼奴との離縁で傷付いた俺を一等気に掛けてくれたのはあんただったなァ。不安な俺を何度も安心させてくれてよ、好い奴が出来た時に人一倍喜んで祝福してくれて、仲違いの仲介もしてくれた。今思えばあんたには世話に成りっ放しだったってのに、何一つ恩返しも出来ちゃあ居ねえ
喧嘩して悔やんで後悔して、探しまくった。あんたは結局見付からなかった、もう諦めてた時にあんたから声があった。
再度繋いだ縁は、あんたが酷く遠く感じた。もう俺はあんたにとって必要ねえんだなって哀しくなったしよ。あんたの周りに俺の知らねえ誰かが、あんたの傷を埋めようとしてんだ。友相手に嫉妬してんだ、俺ァよ。情けなくて仕方ねえ。

もうあんたの傍らに俺は居ない。あんた程に最高の友も、生涯掛けたって作れやしねえな。
恩返し出来なくて悪ィ、寧ろ恩を仇で返した気が否めねえ。其れでも、幸せになってくれ。俺の最初で最後の親友だ。

幸せに為らなかったら、承知しねえぞ、慶次!
鶴姫
願わずにはいられない事、でもそれが叶わない事を学びました。それでも、例え何度私の手から鎖を断ち切って消えてしまうと分かっていても、一秒でも長く声をと願ったのはずっとずーっと前のお話です。結果は、…えへへ、案の定私の甲斐性のなさのせいで置いてけぼりにされちゃいましたね。それももう、半年以上前のお話。
でも!このままじゃ悔しいです!だからこの時期に、蝉時雨が降るこの時に、精一杯ズバッと虚勢を張らせてくださいな!

大っ嫌いです、貴方なんて。
顔も見たくありません☆

そう、とてもとても、大嫌いなんです。私がここにあり続ける理由も、なかなか進めない理由も、全部全部、貴方のせいだから。嫌いだと言うことがまだ辛いくらい私が弱いから。本来のお顔では、まだ嫌いだなんて言えないから。_してるを口に出せないくらい私が情けないから。
もうこの世界にはいないだろう貴方のお顔を思い出しても、もう私は繋ぎ止める方法が浮かばないから。

今、私が一番欲しいのは、貴方以外を見る術です。先見の瞳が、空いた右目が、誰よりも。