風魔小太郎
結局、書かずに終わりを迎えた手紙をここに
お許しを

貴方様からの最後の文を貰い、込み上げてくるのは安堵と焦燥でした
我が身の勝手に振り回す事が無くなる安堵に
貴方様を喪う事への失望
失礼千万とは重々に承知
しかし思わずにはいられない程に貴方様の事を、
これ以上記する事は出来ませんが、どうか伝わるように
もう二度と出会うこと無いかも知れぬ主よ
お身体にお気を付けしていただきたいのは貴方様の方です
この風魔、貴方様が幸福のなか生きる事を願い続けます
石田三成
__、私の声は聞こえているのか。私には、もう貴様の事が解らない。私を縛るような事を宣っておいて、何故私を放り出すような真似をする?私を如何したい、私は如何すればいい。…解らない。私は、貴様に刃を突き付け問う気力さえない程に、…ただ只管に、疲れた。
毛利元就
好いておった。
すまないな。
長曾我部元親
都合よく出来た俺の脳に嫌気がさす、思い出のアンタの香りに惑う。男前な其の面が見てえ、なんざ。どの口が言えるってんだ。

我儘も良いとこ、幕引きに二の足踏んだら鬼の面も剥がれお仕舞えよ。舞台袖迄下がったのは紛れも無く此の俺自身、…なのに何故だ?物陰に隠れてアンタの裾を引こうとし指先泳ぐ俺の姿がちら、ほら、と。

あれより一人で踊る舞台が味気ねえ。能に神楽、狂言…扇子で仰ぎ見外の様子。変わらずアンタは其処に居る、それだけで良いのによ。強欲にも程が在るぜ、…なァ。鬼さんよ。