長曾我部元親
あいつは筆も取れねえみてえだから、俺が。
…お前なんだろ。なあ、何に惑わされちまった?海の外から多忙の一言送りつけて、突然消えたことを咎められてるならまだしも…どういうことだ?他人のお蔭さまでこんな俺が底もねえ程嫌われて、お前の腹ん中から消えられるんならいいことなんだろう。って、納得するしかねえ、な。
俺はお前以外を相手にする気はねえって散々伝えてたつもりだったがそれだけじゃ足りなかったんだな。今までありがとうよ、拘束して本当に悪かった。…これで仕舞いにしよう。俺もあいつも幸せだったぜ、姫さん。最後まで恰好つかねえ野郎で悪かった。
伊達政宗
偶然がこんなに恐ろしい事だと思ったのは初めてだ。まあ仕方ねえか、時期が時期だ。責める言葉も言い訳も、何一つ聞かせちゃ貰えねえ…ともなれば、恨み言や嫌味の一つも吐き捨てたくなるものさ。最期の最後迄、嗤っちまう程に残酷な野郎だぜ。
I would like you to understand that I am not angry. But I am really sad.
もう二度と出逢う事ァ無えだろうぜ。出逢った処で素知らぬ振りだ、関わりはしねえから御幸せにな。
猿飛佐助
気付いて欲しいと願う癖に、何時も俺様は奥へ引っ込んじまう。…分かってるさ、其れがいけない事ってくらい。あは、他人にはズバッと言う癖に本人此れって。臆病なンだよねー。俺様。友人連中の輪を見て安堵。此れで俺様の任務は終了と。…幸せに遣んなよ、旦那。此れで亦、安心して影に戻れるわ。そーよ。俺様は所詮影、アンタ等の光は眩し過ぎンだわ。何つッて、未練たらたらも良い所。数多の縁を得ても、握って居られンのは一時だけ。ま。俺様には一つ、変わらねェ居場所が在れば其れで良いのよ。さァ、任務に戻りますか。変わらねェ居場所を守る為に、なァんてな。
伊達政宗
未だ和らぐ気も起きねえ。
未練がましいって罵られてもおかしく無ぇな。


掌に刺さった棘の様な、恋仲の御前に。