残香〜yours〜

過去ログ162 2008/4/6 3:59

☆たね
管楽


冬の爪弾く
怯えに鎮座した是空
ゆっくりと
その鍵盤を叩いてみる

差し延べた
春風の手のひら
薫りが見えるまでの
明朗の五線

正午の管楽は
碧い微電流を辿り
ぬくもりの唱は
ふわりとした認識を
巻いている

枯れた茂みの陰
響きあう金貨を探れば


休演のない視界で
木管を吹いていた

誰も唱わぬ
枯れ葉のフィナーレ
問いつめた体温
逍遥の音は
照らされていく

逆風の蔵で
ひりひりと
肩を落とした感傷が
碧い濃密に
かすれゆくのを待つのは
あまやかな痛みを
噛み殺した晴天です

花あかりの里
憩う鳥たちの一列
おだやかな祭を彩る
背中のくすぐり具合に
日光のこころ
肌の一羽に紛れるようです

少しだけ
光線が聴こえてきました

春の突風
ほの透きて
伏した眼に降りる声

うすい 
うすい日々の譜面に
2008/4/6(Sun)3:59
HP

☆早希
笑顔
君の笑ってる顔が好き
だからずっと
笑っていてよ
一人じゃないから
溜め込まないで
泣きたい時は
泣いてもいいから
泣いたあとには
一緒に笑おう
君の笑ってる顔が
大好きだから
2008/4/5(Sat)21:05

☆アーツ
葉桜の路
葉桜の並木道
一人で歩く
昼下がり
薄曇りの空の下


霞のようになった瞳は
川面に浮かぶ
花びらを
映していた


また独りになったんだね
何故春は別れを
運んでくるんだろう


繰り返される歴史を
阻むことができなくて
受け容れなければならない悲しい運命を
噛みしめていた
2008/4/5(Sat)11:11

☆英哩耽
透明感
不透明な男に抱かれ
私は透明よと嘘をつく
不透明な男の出した
不透明な白濁は
私の身体をまばらに露出した

半端な泡風呂
孤独感
ぬるついた体液
健全な青少年的未来


シャワーの湯気に
うきあがってきえていくもの

ある日透明な男に抱かれ
透明な白濁で
私は不透明だと私にバレた
染みひとつないベッド

偽りの愛情
真実は束縛
震える

と、ナミダ

『あぁ、不透明な方が気持ちいい
だってその方がカンタンだし』


透明な私は何処へ?
2008/3/26(Wed)20:28
HP

☆鬼天狗
「大丈夫」友情

立ち上がって

叫ぶことができたら

どんなに
ラクだろう


食いしばらずに

我慢ができたら

崩れて
しまうだろう


ああ良かったと
思いたくて

あの頃は
躓いてばかり


その路(みち)には
地図は無くて

君はいつも
囁いてくれた


「大丈夫」
2008/3/25(Tue)6:48
HP

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