殘香〜yours〜

過去ログ167 2008/5/19 23:44

☆Напа

冷たい水の中で
水底を泳ぐ精神が
優しく胸を擦り、焼けていく

蹴りあげてのぞき込んだ
横に知らない顔ばかり並んで
夢が夢で終わらない

飛び起きた額に汗
抱え込んだ頭に蛇
不愉快な朝日
2008/5/19(Mon)23:44
HP

☆YOUKO
思いは風に乗って
桜、
咲く
花びらが舞う
この季節
愁い重なる
遥か昔の思い出

桜、
散る
思いは揺れる
悲しい知らせ
再び帰らぬ人



悲しい風が舞い上がる

私の想いは届かない

一ひら交わる涙の味

私は忘れない

あなたの事を…

思いで桜 忘れ恋

天に届け
風に乗り

私の歌を届けて

あのひとに…

大好きだった

あのひとに…
2008/5/19(Mon)23:41
HP

☆黒陽戦姫
逝葬
恋うるを葬りましょう
永遠のはかなき夢へと
眼をつむり見つめよ
もとめた未来(あした)を
欠け逝く世界には
何処にも居場所などはない
歩きつづけた私
身も心も廃しもとめ続けよ
彼のひとの残り香を
ひび割れてきしむ
硝子細工のひと羽
舞い散る粉が
毒蛾のりんぷんのように
心を惑わせてく

もとめ続ける未来(あした)は
いったい何処(いずこ)?

過去と未来を葬りましょう
積み上げしものは
罪(かこ)と罰(みらい)
贖罪者を断罪者が裁くの
聖裁の喝采もないのに
彷迷い続けて
罪と罰
贖罪と断罪とが
追い追われて交じり合う
狭間には哀しきひとりの影
生まれ堕ちて
苦い時に心を刻み
世(せい)に生を遺して
葛藤と渇望の輪廻
追って追われて
わからなくなるほど

狂おしく咲いた花たちの
もとめた生(こたえ)は何処?

愛と憎をともに葬りましょう
歩き続けて果てを
目指し続けて狂い咲く
破戒と破瓜のいたみは
妙なほど現実的(リアル)で
脆い絆と心は粉々に砕散る
我が身に残りしは罪と罰
業も闇も全てこの身へと
受け止めて私を
赤と黒に染め架刑として?
せめてアナタの未来(あす)の
輪廻(みらい)の何処かで
もう一度だけ逢えますように
餞(はなむけ)に欲しいのは
きらびやかな宝石(いしころ)より
アナタのこころだけ
惜らくはともにいられぬこと

葬りたくはない
アナタの未来
これが私の生きた証(せい)
2008/5/18(Sun)2:40
HP

☆湖々逢
「one」


涸れるほど

泣いた日々も


悔しさに

眠れぬ夜も


何かが砕かれた

あの瞬間も


何もかもが


今を形成する

ひとつひとつの

ピースとして


存在していたんだね


人間だから


道を誤ることも

あるけれど


人だからこそ


また歩き出すことが

出来るのかもしれないね
2008/5/17(Sat)0:05
HP

☆れんげ
オールの先端に
くくりつけた春の風が
天先の海へたなびいてゆく

閉ざされた白い花びら
安らかな絶望が
幾十にも重なったように
真ん中めざして塞ぎこんでいる

あの砂浜よりも淡い匂いが
コゥルタァールに充満する

 (波。ここまでとどくかよ。
 (なみ。ここまで(とどくかよ。

死んでいったものの日に
鳥たちが打ちあげられる

きらきらした地面を蹴って
オールの先端にくくりつけた
なまあたたかいいのちで
2008/5/16(Fri)23:30
HP

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