殘香〜yours〜

過去ログ337 2010/2/24 22:45

☆鋼 鉄信
春風みたいな二人に
チラつく小雪の幕の向こうに可憐な紅梅が浮ぶ終冬の夜

暖かさを求めて
君を求めて急ぐ家路

早いとこ
風呂入って飯食って
君と戯れたいんだ

お疲れ様
忙しかったかな
疲れてるかな

何気ない日常を語り合い弾む会話
小さいけど充実した幸福感

寒かった冬も残り僅か
暖かな春の足音がやっと近付いてきたよ

春の訪れを喩えれば
俺にとってはゆったりとした君との触れ合い

麗らかな春の日の様に
優しく朗らかな二人でありたいね

軽やかに流れる
春風みたいな二人でありたいね。
2010/2/24(Wed)22:45
HP

☆かいる
呼吸
 
 
 
眠り、浅くて。真夜中に、なにかが連れ去ってゆく。


隣のあなた、桃色のシーツ、に埋もれて、苦しそうに息、とめてる。昔から、眠るときに、息とめちゃう癖。指先絡めて、そばにいても、きっと消えてゆく。


世界が、もう終わる。突き放したのは、わたし。


あなたの頬に、蒼いカーテンを貫いた、月光、の白い光線が、襲いかかって、交錯、そうして、ほら、息、できなくなる。束の間、これまで、と、これから、接合して、壊れてゆく、体温、と感触。


あなた、夢の中で、気付いてない。どこにも、二人、いない。まばたき、ができない。秒針、止まらない。苦しい、顔ゆがんで、それでも、息、のしかたが分からず、ねえ、秒針、止まらない。


ベッドから立ち上がって、窓際まで歩いて、カーテン開いて、さ。そうしたら、窓の向こう、そらにまた、灰のカーテン。突き抜けて、ひかりが、立っている。


ひかり、これは、今、生きていない、かがやきが降っている。あなたの頬、これまで、が食べて、あなたは、息、してない。昔からの、癖。


わたしたち、きっと、もう生きてない。秒針、止まらないし、あなたは、気付いてない。呼吸、乱れる、夜が連れ去って、今のこと、忘れてしまう。


失うことで、生きていることに、気付く。あなたは、きっと、いつまでも、今、に触れないで、夜に、食べられてゆく。 
 

2010/2/24(Wed)18:41
HP

☆理
蒼い鳥



蒼い鳥よ、
幸福を運べ。

此処ではない何処かに。
私ではない誰かに。

祝福せよ、あの笑顔を。
あの憎たらしい笑顔を。

その羽根を紅く、紅く、
彩ってやろう。


ほら、綺麗。


2010/2/24(Wed)18:17
HP

☆湖々逢
届かないまま
青空に消えた貴方の

二度と声は聞けないのに

胸の中の貴方はいつまでも

あの頃のまま変わらない姿で

私に笑いかけるよ


ねえ、どうしてあの時

何も言ってくれなかったの

後から聞かされる事実が

悔しさを増してゆく


貴方という人を失って

問いかける言葉が

行き先を探してる

胸の中、いつまでも

貴方には届かないまま
2010/2/23(Tue)4:22
HP

☆宇佐 世白
剥落していく意識
わたしの胸の中を
手繰る絲は
背中を伝って
脳裡を走る

わたしの背筋を
撫でる冷たさは
遥か向こう側で手を振る
わたし自身に良く似ている

声、高らかに誰かの喊びが
聴こえてもなお
動かない体に連動する
意思を持った絲は
透明なる連続した空へ
喫み猛ぶ獣のように
わたしの何処かが
一緒に泣く

剥落していく皮膜よりも
軟弱なる孤影よりも
一緒に泣く
誰かが
此処に居て欲しかった

あの時
空に噎び泣いた
あの晴れた日に
 
誰かが
わたしの横に
居て欲しかった
2010/2/23(Tue)4:03
HP

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