殘香〜yours〜
過去ログ351
2010/3/27 23:22
☆チハルふわりふわり
ふわり
感情の世界を漂っている
ふわり
ふわり
あなたのそばを漂っている
疲れたココロ
ふわり
感じて
なんのチカラもない私
心のまま
コトバの糸を紡ぎ
ふわり
ふわり
近づけない
あなたのそばを漂っている
2010/3/27(Sat)23:22
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☆町田もも虹を繋ぐしゃんとのびた脊椎をたどれば、いつか頭蓋にたどり着くでしょう。きみは傘を捨てた。だから雨はやんだ。ギターケースを抱えて春がやってきた。出火元は六弦だった。ゆびさきから順序よく燃えて、静脈をなぞって、気づいたらわたしは電車の座席に溶けて、濃ゆいピンク色の染みになっていた。溶解。からの、溶接。繋ぐのだ。接着剤でもいいし、潤滑油でもいい。「とにかくどろどろに溶けたからには、繋がなくちゃならないことになっている」そう、青い目の針鼠がピンクの玉座から厳かに言った。「ヒトでも針鼠でもおんなじことだ」と、玉座の周りに唾を吐き捨てながら、毛並みならぬ針並の悪い針鼠が口をもごもごさせてつぶやいた。「とはいえ猫だけは例外だがね。あいつらは溶けない。目玉が特殊なんだ」別の針鼠が気弱そうに言った。そいつの瞳は濁った黄緑色だった。ピンクの玉座は電車の座席によく似ていた。後ろには窓があった。大掛かりなゴミ処理場が見えた。捨てられたばかりの人魚がゴミくずまみれでびちびちとはねていて、真珠みたいな水しぶきに虹がきれいな半円を描いてかかった。それは、せかいでいちばんうつくしい虹だった。ゴッホはあの虹を見たからこそ耳を切り落としてしまったのだし、三島由紀夫はあの虹を見たがために割腹したらしい。わたしはどろどろの体を引きずってゴミ処理場へ向かった。難儀しながら虹の麓へたどり着く。ぐっ、と、手を伸ばす(正直、もう手とは呼べない状態であったが)。虹の端と端を引き寄せる。思ったより弾力があった。ぐっ。もう一度、さあ。ぐっ。ちょうど7回目の「ぐっ」で、虹の端と端は磁石みたいに引き合って、よく研いだ包丁で切った新鮮な野菜の切り口と切り口を合わせるみたいにぴったりと、吸い付くようにくっついた。虹は一瞬でまあるくなった。まあるい虹ができた。まあるい虹は、それはもう、ほんとうに、この世のものとはおもえないくらいに完璧なアールを、かえってこの愚かしい両目(正直、もう目とは呼べない状態であったが)を潰してしまうんじゃないかしらとさえおもうほどの、うつくしい七色に縁取らせていた。気づけば傍らで人魚が泣いていた。「わたしの海はここにありけり」歓喜の涙は瞬く間にゴミ処理場を水没させた。わたしはというと、人魚の涙の海に搦め捕られながら、格助詞と副助詞のちがいを思い出そうとしていた。どこへも行けないなんて嘘だ。だってほら、ここは一体どこだろう。
2010/3/27(Sat)13:12
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☆灯台女性は花女性は花
いくつになっても
どこにいても
女性は花
言葉に癒し
声に香り
女性は花
何度も咲いて
何度も散って
女性は花
季節を知らせて
夢を温め
色を添えて
2010/3/27(Sat)8:35
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☆久猫痛みこの痛みが取れないなら…
あなたなんて入らない
この痛みが和らぐなら…
あなたが必要
心の痛み
体の痛み
が有る限り
上手く行かないから…
それでもあなたは側にいてくれますか?
2010/3/27(Sat)1:48
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☆宇佐 世白籠絡エデン、三項目反撃の夜
開化する思惟の玉響
偽りの神秘
見えない最後の砦
此処でさよなら
今日でさよなら
一日、丸めて
ふつか目、殺して
絆を形式化させた
無憂と云う愚かさ
蔓延らせて舞い踊る
生命を識らない
み使いのこころは
"存在"し無い
今日を落とした
昨日を貶めた
明日を見殺しにした
あなたに
わたしは辜を問う
哀しい程に醜い
この、こころでもって
美しい程に醜い
その、こころを
最初の審判に掛ける
わたしは何にも為れない
最初の無辜の民
わたしは何回も
あなたに泣いた
あなたの無辜の民
2010/3/27(Sat)1:03
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