殘香〜yours〜
過去ログ369
2010/5/20 23:48
☆如月ゆゆん。空弓(そらゆみ)あふ、宵闇を越し朝も明くえぬ蒼の西に浮かぶ空の鏡の、あな美し。
空の鏡に杵つくは卯の羽、映して美はし、佳女の哀れゆる横顔。
もしや香具やの帰りしなむ、佳女の横顔は。
天つ高天ヶ原の月読まむぐわ天撞大弓(てむつくおほゆみ)にも似づ、はりつめた弓の震ゑる弦の眉・鼻の高し。
髪の長しは宵明くえぬの更くえてよりいつそふ深くひ色濃くひ蒼にもよく似て映ゑ、また鏡にくわくわりし河も彼女の髪に違ひなし、髪すらにも綺羅を着せなむと。
雲に似せたる白衣(しらくひぬ)のたなびくひたるも、髪の蒼に映ゑてよく似合ふ。
風かほりて長し髪・白衣揺らし流して乱しゆくと、
なびく夜の蒼の静寂(しぢま)に白衣の袖揺らし衣擦れのみぞ聞こゆる。
きつとみなもの蒼、空の蒼も空の鏡に映して美はしの彼女のこゑに聴き惚れては戀を智りて、宵闇ふつすに産はるるはと想ひて息を溢し。
玻璃(ぐわらす)・瑠璃・水晶よりすら、その息も瞳も溢すに能はす純み透す。
彼女の哀れひ涙ぐわ落つるは通ほり雨と降り鏡隠さす白衣の袖濡らして眼下に溜め息の根を下ろさむ。
車窓よりくわの音刻む通ほり雨聞きなぐわら戀すれ空の蒼、みなもの蒼、よゐやみとぞ称すを居眺め、西にへと去り行く空の鏡に映して美し彼女の横顔を仰けは、東の明日の僅くわに白づむ朝の足聞こへて。
ああ未た未た朝よ、未た来なひてと。
歩ます足止めて宵の明くえぬを袖そこに留めて。
始発の窓から過ぐひ行く景と色に彩(ゐろ)添へて、
空の蒼も白と染まり西の空の鏡去りしもいづこへ。
今は知らなくひ貴方のこころもまた同くと想へは、空も彼方へ。
貴方を智らねはこころよ安らくわならむと、溜め息も溢せす泣く泣く空・みなもの蒼ともよく似た我の許なひいづこへくわ置かふ。
あふ、宵闇を越し朝も明くえぬ蒼の西に浮かぶ空の鏡の、あな美し。
空の鏡に杵つくは卯の羽、映して美はし、佳女の哀れゆる横顔。
もしや香具やの帰りしなむ、佳女の横顔は。
また逢ゐたふと願い掛くえれは朝のまふ明くえぬ、
空の白の淋し。
叶はさると知れと況むや必らす叶ふと願ひ希ます。
眼下、朝焼くえの街のああ低く見む。
それの様想ゑて皮肉にも、あな美はしとば想ゑて……。
夜のまた遠し。
2010/5/20(Thu)23:48
HP
☆七海小さな幸せ初めて
あなたの笑顔を見た時
初めて
あなたの声を聞いた時
初めて
あなたが私を呼んだ時
いつも何故か
心が穏やかになり
幸せな気持ちになった
人の心の中の動き
誰にも
解る事はなく
誰も
触れる事は出来ない
けれど・・
私の小さな幸せも
切ない感情も
不安を抱く感情も
誰にも
気付かれなくていい
今は
それでいい
自分にしか
解る事ない
幸せも
苦しみも
悲しみも
知ったから
ただ・・
ただ そっと
見守って居てくれる
そんな人が居れば
きっと それを
幸せと感じるんだよ。
2010/5/20(Thu)21:11
HP
☆麗楽窓際の背徳たしかに在った日の朝
新緑をかんじながら
いくつもの音色が重なって
それはオブラートに包まれていく
見飽きた現実を遮断して
冷たいガラスに映る灰色の感情
その一片さえ見当たらないまま等間隔に鎮座している幻想
それはグラデーションでいろどられて、ふっと消える
直立した時間がありありと物語るのは紛れもない歴史だ
(すべてはげんじつで、いつかおわる、)
何気ない顔でみしらぬ人々が通り過ぎる
君がいない、僕がいない
そこにあったはずのなにもかも、波にのまれても
取り戻せるのは確定された過去に残されたあの日ではないことを、この手は知っている
それはどれも等しく通り過ぎた真実なのだから
あの日笑った、君は僕自身だった
それは今よりもずっと綺麗で、この何気ない日常を包囲する
その灯火さえ塗り替えていく感触を、まだ知らない僕は
味覚を澄まして、フレキシブルに自身を超越していきたい
2010/5/20(Thu)12:44
HP
☆、彩 愛 美花 畑 季節の 時折々に
違う花を
咲かせて
何時も
絶やさないようにして
守って行こう
今は
まだ個人レベルの
小さな花畑で
数も少ないけれど
少しづつ
株分けをして
花畑を増やして
たくさんの花を
咲かせたい
株分けされた花は
人から人へと
その数を
徐々に増やして
町を 市を
覆い尽くして行く
花畑の数と共に
人と人との輪も
大きくなって行く
やがて
世界中に
国境の無い花畑が
出来る事を信じて
名も無いような
小さな花を
咲かせよう
2010/5/20(Thu)0:32
HP
☆、彩 愛 美図 書 館
まだ利用者の数が少ない
月曜日の午前中が狙い目で
ゼミの無いこの日は何時も
二人で静かな時間を過ごした
資料になる書物なら いくらでもある
解らない所を教え合ったり 調べたり
テーブルいっぱいに レポート拡げて
夢中で時間が過ぎるのも忘れて
手探りで何かを探していた
図書館に隣設している
何時も決まりのレストランに流れて
図書館では満足に
会話出来ずにいた 反動弾けた
それからどれくらい 話したのだろうか
これからの二人の事とか ゼミの事なんか
どちらとも付かない たわいも無い事
抑えていた想い全て解き放して
愛についての レポートしていた
二人だけしか知らない 図書館ライフ
週の始まりとしての 大切な時間になった
本棚の陰に隠れてキスもしたね
これからも愛を 確かめようよ
2010/5/18(Tue)0:37
HP