残香〜yours〜

過去ログ57 2006/12/8 14:17

☆英哩耽
朱の名前
あたしの家の小さな小さな庭に
小さな小さな朱い実が
名前は知らないけど
沢山なってたの

名前も知らないその実は
ゆらゆら体を揺さぶって

名前を思い出そうとして
あたしもゆらゆら頭を振って

その朱い実の知らない名前は
あたしの脳内で大きく大きく膨らみました

物知り博士の彼氏に
聞こうとしたけど

もし名前を知らなくて
3人一緒にゆらゆら頭を動かしたりしたら

なんだか可笑しくて
実はとっても見てみたいけど

大好きな彼のふわふわな髪が
風でグチャグチャになるから

此処に呼ぶのはやめて
名前は知らないままにして

その代わりに名前をつけてあげました
あなたは今日から由良さん

由良さんはそう呼ばれたら
実を1つだけ落としました
2006/12/8(Fri)14:17

☆mai
ポケットに大事にしまったチョコレイトが
ぐにゃぐにゃに溶けていました
しばらく揉んでいると
両端から漏れ出したチョコレイト
指先で掬って舐めました


君を見つめていた
あの甘い甘い想いと
君の隣で微笑む彼女を見つめた
あの苦い苦い想いと
叶わないと知りながらもあたためていたのです
ポケットの中で

君の為に何度、痛めたかわからないこの胸は
それでも熱をおびて
想いを温め続けていたのです

だけどこのまま溶けてなくなってしまうのが怖いので
叶わなくても大切な、
大切な恋なので
舌の上で終止符を打ちました

いつまでも温めていたチョコレイトは、
塩辛い味がしました
2006/12/8(Fri)10:56
HP

☆なでしこ88号
宇宙に散る花
この広い宇宙(そら)
僕にしか見えない
ひっそり咲く一輪の花

追い掛けるほど
逃げて行く
まだ距離は縮まらない

巡り逢いという言葉
それは今二人に
当てはまる言葉

偶然なようで必然の
すばらしい巡り逢わせ

一目見て
瞳見つめ合い
心触れ合い
体で感じ合う

この幸せがいつまでも
続けばいいと思った

突然
星屑になるくらいなら
君を(君を)
今すぐこの手の中に

この広い宇宙の下
出会えたんだ
もっと(もっと)
一緒にいたいから…

この広い宇宙
僕にしか見えない
ひっそり咲く一輪の花

手に入れた瞬間(とき)
その花は…
目の前で永遠に散った
2006/12/8(Fri)6:58
HP

☆なでしこ88号
淋しくて…
不器用な私だから
あなたには届かない

声に出してしまえば
終わりそうで…

本当なら今頃
あなたと手を組んで

雪降る街並みを
歩いてたかも知れない

私の腕が寒いって…
私の体が寒いって…
私の心が寒いって…

寒い、寒いよ、って
ずっと叫んでた…
2006/12/6(Wed)13:35
HP

☆七海
【蝶になる私】
私は蝶になる

綺麗な光り輝く
色とりどりの
羽根を持つ蝶に


そして
精一杯の力で

風に煽られながら
飛び立つの


太陽の光りに
反射した羽根は

更に美しさを増し

いつしか
風に飛ばされ
消えて行く


そして誰にも
気付かれる事なく
目的地に辿り着く


その目的地は

蝶が精一杯
飛んだ後の

安らぎの場所。
2006/12/6(Wed)4:51
HP

5856

掲示板に戻る