殘香〜yours〜
過去ログ660
2025/10/13 0:08
☆彩 愛 美[時 間 差]
発信者と
受信者に
僅かばかりの
時間差がある
気持ちの繋がらない
この間の悪さが
想いを冷まして
鈍らせて行く
直接的な
言葉や表情が
読み取れない
反応の遅さに
蓄積されて行く
イライラ感が
やがては
不信感へと
膨らんでしまう前にと
想うのだけれど
この時間差を
どうしても
埋められはしなくて…
世界がどんなに
近付いて見えても
事実上の距離が
近付いた訳ではなく
便利になった距離感を
錯覚していただけで
これ以上縮められない
時間差に
イラついてしまった
もっと不便だった時代と
遠い過去に忘れて…
☆彩 愛 美[雑 雨]
濁音の雨が降る
冷たい午後に
汚い言葉で
私の事を
罵るように
全ての結末
私が悪い事をしたと
解ってはいても
納得出来ない
結果論だってある
ノイズを鏤めて
雨が降る
そんなに そこまで
責めなくたって
いいじゃない
ちゃんと
私が悪いんだって事
理解しているつもりだから
でも
何処かで甘えている
私にたって
言い分がある
ちゃんと
聴いてよって
言いたかったけれど
問答無用で
雨が降る
もう私には
言い返す力は
何も残っては
いなかった
☆彩 愛 美[夜明けの空に]
アルトの音域で 夜を呟いていた
途切れ途切れに 響くはモノトーン
このまま一人になるのが 恐くて
宙を舞うか細さで 掴む袖口
親指と人差し指に 挟まれた僅かな隙間で
やっと繋がっている あなたとわたし
壊れかけた 積木のような心
そのまま優しく 抱き締めていて
夜の闇間に 潰されないようにね
風打つ窓際で 星を数えていた
幾ら数えても 数が合わない夜
何時までも気にして 眠れなくなった
夜空に滲む夢の 迷子になって…
鼻歌に混じる溜息 蚊程に掠れて
重たい夜の中で あなたを想い…
巡る想いが朝を 運んで来る
何も残さずに 新しい笑顔で
次の未来図 描いて行きましょう
幾多の夜の荒波を 乗り越えて
辿り着くのは平穏な 凪海のような朝陽の中で…
夜空の虹が 朝陽に輝いて
幾多の希望を 運んで来るのね
昨日までの苦痛を 癒すように…ね
☆彩 愛 美[再 生]
例えば 温暖化
例えば 氷河期
劇的な環境変化で
一度 この惑星から
人類なんて
消えてしまえばいい
もし その上で
人類が必要ならば
たぶん…
幾年掛かるかは
量り知れないけれど
人類は 再び
この地上界へと
再生されるに
違いないと…
でも もしかして
不必要だと
判断されたなら
幾億年待っても
もう人類なんて
再生されないのだろう…
今 まさに
人類は
その分岐点に立たされ
判決が下されるのを
待っている
この先
本当にこの惑星に
生きて居られるのだろうか…
☆彩 愛 美[ふたつばな]
彼岸花 ひとつ あなたの胸に
想いが うまく 伝わりますように
朱く染まる 秋 届きますように
私の 心も 咲かせましょう
もう 涙は 似合わない
直ぐに 泣いてなど 居られもなくなる
きらきらと ひかる 心の花を
あなたに ひとつ 渡せればいい
願い花 ひとつ 私の想い
きちんと 咲かせ られますように
朱く育つ 秋 抱きますように
あなたの 想いを 受け止めましょう
もう 季節は 過ぎて行く
白い雲の 色染まり 行く前に
いつまでも のこる あなたの花を
心に ひとつ 残せればいい
何時かまた ここに 帰れる時には
またあなたと ふたりして 花を見て
ずっと ずっと 想いを 溜めていられる
そんな風に ふたたび 出逢いたい
彼岸花 ふたつ あなたとわたし
今度は ふたつ 咲かせればいい