哀切

過去ログ87 2013/1/8 0:07

◆前田慶次
一つずつ消えてく文。
あんたを待っているのは全然苦なんかじゃないんだ。でも、ほら…また一つ文が消えた。
文が消えてく度あんたと居るあの場所が色褪せて、霞んで消えてっちまうんだ。少しずつ…少しずつ…
それでも俺はあんたの負担にはなりたくないから、嫌われたくないから何も言わずにあんたを待っている。いや、言えないんだよ、あんたは優しいから俺の気持ちに応えようとするだろ?でもそれじゃあんたの負担にしかならない…嫌われちまいそうで怖いんだ。
あんたには何人も相手が居るかもしれないし俺はその中の一人に過ぎないかもしれない。それでもいいさ。
でも、あんたの中から俺を…「前田慶次」を消さないで。
もう消えかけてるのかもしれないけどさ…待ってるよ。ずっと…
全て消えちまうまで待ってるから…
お願い、早く帰ってきてよ…
消えたくないよ…!

◆毛利元就
…ずっと一緒に居れると思うておったのは我だけだったのだろうか…否、違うとは信じておる。何か理由があるのだろうと信じておる…信じておるが…唐突すぎて受け入れられぬ…。もしかしたら我が何かしてしまったんだろか…。わからぬ。何もわからぬ…

可愛くないだろうが、我の自尊心が無様にすがり付く姿など貴様には見せとうないと謂っておる。だから…さよならぞ

心から愛していたぞ、独眼竜

◆石田三成
助けて欲しいと一言、口に出来ていたならば、世界はまた変わっていたか。

…今更、嘆いても遅い。
全て私が切り捨てた。

せめて私と袖振り合った者達に、幸あらん事を願っている。

◆徳川家康
昔はどんなに忙しくても、寂しいと言って毎日文を交わしてくれていた。
お前にとって今のワシはいてもいなくても…いや、目障りなだけの存在だろう。

あの日から、互いの距離がひらいたままで、何度も何度も引き戻そうと努力した。途中で諦めそうになったが、それでもまだ望みがあるならばと後悔しないよう、出来る限りのことをした。だが、ワシが何をしてもどう足掻いても、この溝は修復出来ないようで、もう手遅れだったんだよな…。…ワシも、疲れてしまったよ。

何一つ残っておらず害を与えるしかないワシが唯一出来ることと言ったら、幸せを祈りながら姿を消すこと。お前のことを思うと、それしか思い付かなかった…。きっと、ワシがいなくなってもお前は変わらないだろうが…ほんの一瞬でもワシと同じく寂しがってくれると嬉しいよ。

好きだ、__。