月いろの手紙  SONG NOTE2/FREE

過去ログ205 2010/11/6 18:08

●鳶雅盜
枝下千岐

【枝下千岐】

冬の落ち葉は落葉樹の葉

常緑の樹は春新緑の時に葉を更新する

秋山肌の彩りは落葉樹の冬支度

落葉した樹の枝模様は冬の味わいに浮かび上がる

柿の枝

実った実の重みが天然の盆栽造りの功をして

枝はやや平らに枝下る

葉も実も落とした枝下千岐にただ見惚れる

千に岐れた柿の枝下に



2010/11/6 18:08
HP

●鳶雅盜
和みの霧

【和みの霧】

赤子が眠りに就く様にイエネコの瞬きは午睡の霧に沈もうとしている

傍らに横たわるイエネコの肉球は霧が深まるにつれ可愛らしい体温をより温かくして愛しい時間を作り出す

そっとイエネコの手を握ると一言だけニャと省エネ鳴きをして身体をよじらせ布団の中で可愛い背中を押し付けてくる

密着したイエネコは何やら眠い匂いがして私までをも午睡の霧に包み込んでくる

イエネコの髭が頬にチクチク触りこれが何とも言えない可愛い感触となり愛しい霧に覆われる

こうして二人を和みの霧が優しく抱き包みやがて全てが眠れる静寂の時に融けて行く



2010/10/31 23:22
HP

●鳶雅盜
いにしえの冬


【いにしえの冬】

晴れた日の低い陽に部屋の窓を見上げると思わず瞼が痛くなる

いつの間にか夏は過ぎ太陽が窓と言う額縁に収まる季節を通り過ぎ様としている

後一月半もすれば暦の上では冬至になろうか

古来より一年の運勢は夏至を最高として過ぎれば徐々に下り運となり冬至からは登り運とする慣わしがあると言う

古い慣わしに沿えば世の中の人は運気の下の極みに向かっているが冬至を境に運気が夏至に向けて上向きになる

古(いにしえ)の人々の厳しい冬の元気付けの驗担ぎかもしれない

現代の様に整った防寒着もなければ暖房設備も無い昔の心の知恵を冬至の驗に垣間見た気がした

皇紀2670/10/23



2010/10/23 10:49
HP

●灯台
笑顔

選び過ぎて
喜べないのは寂しい


頑固も
ほどほどに
これからを暮らしたい


終わりがあるから
人生に終わりがあるから
今をいかに
楽しく暮らせるか?
2010/10/21 4:04
HP

●鳶雅盜
優しい金木犀


【優しい金木犀】

咲いたばかりと思っていた曼珠沙華は終わり

時と季節の移り変わる早さは心が追い付く事を待ってはくれない

待ってくれる秋の香りがあった

仄かに薫る金木犀が艶やかに漂う

そうか

秋は艶やかか香りが時の流れを留めてくれている

見た目は地味なれど金木犀の艶やかには優しさがある

美しき撫子に艶やかを添える香水もこの優しさには遠く及ばない

山肌の紅葉に目を奪われがちな秋に時を止める香り花

金木犀の妖艶なTIME STOP

その優しさは財には変えがたい緑の包容

艶やかに薫る金木犀が少しだけ優しさを分けてくれたようだ



2010/10/15 7:28
HP

206204

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