哀切

過去ログ102 2014/1/24 21:25

◆猿飛佐助
気付いて欲しいと願う癖に、何時も俺様は奥へ引っ込んじまう。…分かってるさ、其れがいけない事ってくらい。あは、他人にはズバッと言う癖に本人此れって。臆病なンだよねー。俺様。友人連中の輪を見て安堵。此れで俺様の任務は終了と。…幸せに遣んなよ、旦那。此れで亦、安心して影に戻れるわ。そーよ。俺様は所詮影、アンタ等の光は眩し過ぎンだわ。何つッて、未練たらたらも良い所。数多の縁を得ても、握って居られンのは一時だけ。ま。俺様には一つ、変わらねェ居場所が在れば其れで良いのよ。さァ、任務に戻りますか。変わらねェ居場所を守る為に、なァんてな。

◆伊達政宗
未だ和らぐ気も起きねえ。
未練がましいって罵られてもおかしく無ぇな。


掌に刺さった棘の様な、恋仲の御前に。

◆徳川家康
今も尚ふとした瞬間にお前の姿を思い出してしまうよ。今はどうしているだろうかとつい、な…。あれだけ深く愛しただけに忘れたくても忘れられない。あの時は本当に幸せだったんだ。お前を愛せる事が何より嬉しかったのを今でも思い出す。最後は言葉を聞きたくなくて離縁した後直ぐに思い出を総て燃やしてしまったが…。

──…なあ、今はどうしているんだ?

あの時のお前の姿を借りて。

◆石田三成
寂寥に耐えきれず道を違えた筈なのに、何故…私はまたそれに苛まれている。何故またそれを選んだのだ。
確かに寂寥と引き換えに平穏を得たが、既にいつまで耐えられるか分からない…。
何かを犠牲にしなければ何も得られないと分かっていたつもりだった。だがそれでも、出来るならそんなものを払いたくなどなかった。
…答えろ、あの綿の抜けた顔が妙に恋しいのは何故だ。