哀切

過去ログ52 2011/12/10 3:03

◆お市
__さま、御免なさい…市はとても臆病だわ。
本当は、貴方のその優しい胸に縋って…子供の様に泣いてしまいたいの。
何が哀しいのかは解らないけれど…息が苦しい…。
もっと、強くなって傍に居させて欲しい…もっと、近くで貴方の声が聞きたい…。
欲張りはいけないって…知っているけれど。
本当は深い…暗い場所でずっと泣いてばかりで御免なさい、でも…まだ、傍に置いてね…。


あの人の様には、市を捨てて行かないで……。

◆毛利元就
一を守らんが為に、一を切り捨てる…道理よ。我には我の守る国が、民が、平穏がある。無論貴様にも同じく守るものがあろう?ならば不要なるものは切り捨てよ、さもなくば全てを失うことは見えている。
…貴様が切り捨てるべきものは、我ぞ。

一つ、また一つと交わす言葉が減る。それで良い、このまま貴様と我とを繋ぐものは自ずと朽ちゆくが摂理であろう…さながら骸が土に還るが如く。


……それで、良い。

◆伊達政宗
どうにもならねェ事を幾ら願ったところで時は戻せやしねェ。
幾度焦がれる月に手を伸ばそうと、道標を無くしたオレは新たな出逢いを求める術を持たず、ただあの日と同じく杯を傾けるのみ。
…いつになったら、この涙は渇れる?


せめて夢で、逢いたい。

◆鶴姫
お星さまの輝きは、あの日迷子になった時となんにも変わりません。だけど、わたしは舟の漕ぎ方を忘れて仕舞いました。きっと長旅が祟ったんですね、大切にすることも…貴方への気持ちも。

やっぱり言った通りでした。貴方は何時か後悔するって、他の方と歩んだ方が幸せだって。此処に来てわたしは変わって行きました。全部思って居た通りです。
だから、鶴は眠っちゃおうと思います。だってわたしは貴方と一緒に居るのにもう相応しくなんかないんですもの。ごめんなさいも言えなくて…今迄いっぱいごめんなさい。

じゃあ、しばらく…ずっとかも知れませんけど、おやすみなさい。わたしの大切な大切なお星さま。大好きです!