哀切

過去ログ1 2010/6/30 20:49

◆前田慶次
アンタに惚れちまってから恋がこんなに苦しいもんだって初めて知ったよ。
俺の想いが強すぎて重荷になってるよな?ごめん…
それが分かってるから別れを告げられる前に逃げちまおうかなんて臆病風に吹かれてんだ。

多分、逃げても逃げられてもアンタの事だけは忘れられないんだろうけど…どっちにしても未練がましくて嫌になっちまうね。

…会えない時間が酷く寂しい。

でも、もう少しだけ俺なりに頑張ってみるよアンタの一番になれるように。

◆お市
便りが無いのは良い便り。誰が最初に言ったのかしら…?文も白紙も来ないのも、良いものなのかしら…?

死んでしまったと思ってた貴方への想いが、市の腸の底で這いずり回る。声が、聞きたい。貴方を、感じたい。

市、待つわ。文も、白紙も。それ位は、許してね…?

◆猿飛佐助
駄目だねえ、又此の、感覚。要らない要らない、要らナイよ。今の俺様にゃ必要無ェじゃねえか。なのに、何を、今更。
そう成ッて困らすンは彼奴だろうに。駄目だねえ。

ぽっかりさ、穴が空くみたいにね。こころが何か落としたみたいに、足りなく成るッつうか…ン、そんなところ。
変だよな、俺様の傍らにはアンタが居るのに。何てんだろ、むなしさ…かなしさ…さびしさ…色んなのが混じり合った、感情?
…ちと大人しくしてた方が先決なのかもな。アンタを又困らせちまう前に、ひと鳴きするよ。

けど、本当は、さ。アンタ不足なんじゃねえかッて思う。此以上を欲しがるのは、未だ駄目だ。嗚呼、足らねえ、ふふ…すきだよ。アンタが一等に。無二の最愛。困ったワンコで御免な。
て、あのひとが。

◆濃姫
…怖いのよ。貴方がいつか、私から去って行ってしまうような気がして。
どんなに文を交わしても続くのは何処か冷えた仲だもの。仕方ないわ。でも…それでも、最近はどうしようもない不安に呑まれて行く。
次の文は白鳩ではないかしら、なんて震えている。その時間が、凄く怖いの。

貴方へ認める文を出すときでさえ、これが最後になるのではないかと…馬鹿ね、何処まで悲観的になれば気が済むのかしら。貴方にも失礼。


けれど、その不安も貴方を想う故よ。どうか見逃してくれないかしら。
…ふふ、蝮の毒で貴方を縛り付けようとしていたのに…毒に犯されたのはどうやら私だったようね。


…ありがとう、少し心が晴れたわ。
後は、私自身を強くしなくては…ね。

◆真田幸村
好きだ、好きだ好きだ、好きだっ!誰よりも、お前にこの想いを伝えたいというのに、伝えられぬ。何故届かぬ、何故…斯様にお主がいとしいのか。解らぬ、それ程に…

吐き出してしまうば楽になれると思うたが、如何に吐き出そうとも尽きぬ。

この、あいは。

破廉恥ではあるが、事実を曲げることなどできぬ。
写し絵を残し、去ろうか。

◆真田幸村
切なさを此処へ置き去り往け。
哀切の輝きは美しく、決して鈍いものでは御座らぬ。その輝きを忘れず、しかし、前を向き、前に進むため、此処へ置いていかれよ。
哀しみは必ず、己が力になりましょうぞ。何時か、必ず。