哀切

過去ログ2 2010/9/7 20:05

◆大谷吉継
話せば話す程、他の白銀とは違う静かなぬしに惹かれてな。寡黙の中に燃えている焔はわれを酷く酔わせる。…逢えば逢うほど、触れれば触れるほど、唇を重ねれば重ねるほど、ぬしへの想いが強うなる。愛でてはならぬと誓うも気付けば愛でてしまうわれは愚かよな。
もう誰も愛さず好きにならぬと誓ったわれがぬしへ想いを馳せようとは。嗚呼、ぬしが愛おしい。狂おしくて堪らぬ。これではコワレテしまおう。

不幸に満ちたわれが幸を求める事を許せ。この想いは明かさぬゆえ約束の時になるまで傍に居てはくれぬか。時が来たればわれは焼かれた羽根を動かし地を這いつつ去ろう。この想いも捨てて。

蛾に白銀の月は高嶺の花よな。われは己の身と心の醜くさを呪おう。

◆鶴姫
…寂しい、です。
今日は沢山話せるって思ってまし…私が勝手に勘違いしただけですけど。
もっと沢山話して、沢山触れたいです。
我儘ばかりでごめんなさい。

◆お市
あぁ、壊れて逝く…
市の何かが…壊れる音がする。
好き、だけど届かない…
別の何かが、市を遮るの……。
邪魔をしないで、市から奪わないで…
奪うなら…いっそ、もっと市を狂わせて。
…あなたへの愛しさと、あなたへの嫉妬…
麻痺してしまって…どっちだったか解らない。
好き、嫌い…愛しい、憎い…
ふふ…市を刺すように向けられる想いが、あなたなら良かったのに…。
市の魂を喰らう気なら、この苦しみを全て忘れさせて…
お願い、市を…―して。
太陽はもう、輝けそうにないわ…

◆石田三成
貴様を失って、大きな穴が空いた。
こんなにも私を想ってくれて居たのにな。
すまないと何度も繰り返しても貴様に付けた傷は治らない。
私を見る度に思い出すだろう?
ならば、私が消えよう。
貴様の目に付かぬように。
早々に私の事など忘れてしまえ。
早く楽に…、早く幸せになってくれ。

愛していたよ、家康。
こんな勝手な私を一時でも愛してくれた事、幸せな時間をくれた事、感謝している。

暫しの間、好きで居る事許して欲しい。

◆松永久秀
卿とは、もう縁を切りたく思うが、実の所、私が一番好いているのは卿なのだよ。柄にも無く、卿の事に関しては優柔不断な私が居る。

空白の期間が長ければ長い程、卿への思いは募る。己が提示した了への期間を、今すぐにでも取り消してしまいたい衝動にかられる。

最後に、一度逢いたいというのは、我が侭かね?嗚呼、どうすれば良い。月並みではあるが、卿を好きすぎておかしくなりそうだ。