哀切

過去ログ3 2010/9/13 23:28

◆前田慶次
愛しい気持ちに偽りはないよ。けど、さ…時折無性に切ない感情を感じるんだよ。
あんたとこのまま会えないんじゃないかって…思い立ったら顔を見れない距離ってのがもどかしい。

会いたいなんて、頑張ってるあんたに言いたくねぇんだ。寂しいなんて感情も、本当は見せたくない。


それでも寂しい。
だけど…あんたじゃなけりゃ駄目、なんてねぇ。…恋ってのは人を弱くする魔性を持ってんのかな。

◆大谷吉継
幻を現に重ね見居るのだと、我が身に言い聞かせ続けるが…、ざわりざわり蠢く虫が這い上がらんと数多の蓋を食い破り内を覆い尽つすか……ぬしの言ノ葉を耳にするのが先か……、いや、
われにも解らなんだ…。

………其れが……求めて居るモノであるとも限らぬのよ。


文を待ち詫びる間日に日に強く焦がれながら不安に苛まれ続け在る。苦しく恋しい等と………未だに…生娘の如き感情を持ち合わせ居るとは…、われも人の子か、滑稽よなァ。

だが、人とは欲深き生き物か、欲を出せば止めどなく溢れ出…歯止めなど忘れる程に……ゆえに…、今の侭、此の侭。


ただ密かに…想い、僅でも永く傍らに在ることを望むわれを…許せ。


今更隠し立てせぬが…何も云わぬと言った手前……、…ただの戯言、譫言と…捨て置け、常の如く。

◆猿飛佐助
あの人の云う通りだぜ、思わず笑いが漏れちまったよ。
どうして俺は旦那に会っちまったんだか…、なーんで旦那はそんな期待しちまう様なこと呟くのか。

手を伸ばさなきゃ、この手が旦那にとどか無いのも、知ってる。自分の中で呟いたって神通力なんざねぇからな、相手に伝わる訳でもない。
判ってるけど、じゃあ俺はどうしたら良いのよ。また次新しい相手を見つけろってのか。しようとしたけど、結局思い浮かぶのはアンタのことだぜ?
…これを云ったって旦那の負担になるのが関の山じゃねーの、どうせ終わりにするだとか云いだすんだろ。…もうどうすりゃ良いのか、判らないよ。

本当に馬鹿らしいねぇ。

◆猿飛佐助
見なきゃよかったよ、そしたらこんな気分にゃならなかったってのにさ。
俺様ってばさすが真田きっての忍っつうことで、カンが良すぎるんだよねぇ…すぐわかった。
あ、もしかしてそれって俺様があんたのこと大好きだからかぁ?…なーんて。
でも俺は俺にそんな資格無いってこともわかってんだ。俺だって同じだ。あんたの気持ち痛いぐらいわかる。
でも俺はあんたに一番に愛されたいと思うよ。だって俺様が一番に好きなのはあんただから。
…あんたが俺だけを愛してくれればいいのに。旦那が望むことならなんだってやってやるよ。


だから、さ

◆石田三成
今は無き処にて、書き殴りし彼の遺された言葉が貴様ならば…、…………。

待ち詫び焦がれ、此のざわつく心の名を如何様に例えるべきか…私は知らん…、否、薄々は気付いて居るのか。…だが内に燻る想い等自らが伝える言葉を知らぬ儘ならば他に理解出来ようか。

核心を逃れ嘯く私を…、より深きを望みながらも留まる私を……貴様はどの様に想う。


ただ、此の眼に映る貴様の姿……、だけは…信ずるに値する。今は此れだけで…、…充分だ。


闇夜に煌めく月光に焦がれながらも、羽ばたく事を恐れ地を醜く這う芋虫の戯言だ。気付いたとしても、何も言うな。

◆長曾我部元親
此の感情をどうにかして呉れ。あんたが好きだ、好きなのに俺の何処かは飢えてる。なあ、俺はあんたに甘えたらいけないのかい。その綺麗な手で髪を撫でられてえ、そんで優しく抱き締めて貰えたら俺はどれだけ幸せか。…でも自分からは言い出せねぇし何でか逆の事しちまうんだから笑えるよな?はっ、贅沢なんざ言うもんじゃねえか。